ブルー・ストーン

表があれば裏もある ページ7

.

You Side









｢ 俺さ、昔、周りに馴染めなくて、人見知りも激しいから、第一印象が怖い、とか、よく言われてさ ｣






色んな人から人気のある瑞稀先輩しか見たことがなかったから、そんな一面があったのか、なんて、なんとも言えない気持ちになる





｢ でも、あいつらのお陰で、変われたんだ ｣





そういう彼の目は、優しい目をしていた





｢ ……最初さ、俺のテリトリーをぶち壊す天敵が来たと思った ｣








｢ 私、そんなに怖いですか？ ｣








｢ 友達と居ても、目が笑ってないし、なんかいつも、独りって感じだったし、なんか、何考えてるか読めないっていうか ｣






" 俺と似てるんだよ、お前、だから、怖い "






と、その言葉とは裏腹に、私を見つめる表情は、優しい気がした






｢ 昔の俺を見てるみたいで、まるで俺が俺の居場所を無くそうとしてるような感じがしたから、お前が来なくなって、好都合だと思ってた ｣







なのに、と悔しそうな彼の声に息が詰まる





｢ お前が来なくなってから、みんな笑えないくらい調子悪いし、お前が居なくなって、元に戻るって思ってたのに、それなのに ｣








｢ あの、私、｣








｢ お前はもう、俺達のテリトリーに居座るべき人間なんだよ ｣







だから、と息を吐く瑞稀先輩







｢ 仕返しする。今度は俺が、歌でお前を救う ｣








｢ …私の、なにがわかるんですかっ…… ｣








｢ 俺の歌に釘付けになってた、とか ｣








｢ なっ…！ ｣






冗談だから、とクスクス笑う彼






｢ 歌だけじゃ不満なら、もう一つだけやるよ、お前に ｣








｢ なにを、ですか ｣








｢ 一世一代の愛の告白、なんてどうよ ｣








｢ へ…… ｣







すっげえアホみたいな顔してるよ、ってデコピンされた







｢ …私、可愛くないですよ ｣








｢ 一応言っておくけど、俺の好きなタイプと真逆だから、お前 ｣








｢ っ……私よりも可愛い子、もっと居ますよ ｣








｢ そりゃあそうでしょ ｣








｢ ……もういいです！ ｣







瑞稀先輩の横を通り走り出そうとしたのに






気付いた時には抱きしめられていた







｢ そうやってすぐ拗ねたり、可愛げ無かったり、ほんとムカつくんだよ、お前 ｣







頭を優しく撫でられながら、貶される

砂糖よりも甘い→←暑さと熱さ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す