ブルー・ストーン

歌声に ページ20

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You Side









一生懸命に凛々しい姿で歌う彼は






この世の尊いもの全てよりも、輝いていて







｢ す…ごい…… ｣






先輩達の歌に、演奏に、さらに沢山の人が集まってきて






家族で来てる人、カップルやお年寄り






いろんな人が瑞稀先輩の歌声に誘われて






ひと夏の思い出に綺麗な音を残そうとしていた







｢ やっぱり瑞稀、変わったよ、うん ｣







Aちゃん凄いね！と耳元でエリカさんに言われる







私が、変えたのかな、彼の全てを






聴いている人達をぐるりと見渡しながら歌う彼が






私をチラッと見て、微笑んだ






｢ …好きだなあ ｣






その笑顔も、歌声も、







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その後の挨拶やアンコールも大盛り上がりで







特設会場のスタッフさん達らしき人に、次々とお疲れ様！と言われる先輩達を見て






ひしひしと感じる、立場の違い






それでも、やっぱり近くに居たくて、







｢ …瑞稀先輩、｣






控え室らしい場所でかき氷を食べる彼に話しかける






｢ …何泣いてんの、……ったく ｣






かき氷をテーブルに置き、おいでってされる






素直に従って、瑞稀先輩の腕の中






｢ どうせまた、距離が遠く感じる〜とか、考えてたんだろ？ ｣








｢ …エスパーですか？ ｣








｢ 距離が遠いも何もこうやって抱きしめられるんだからあーだこーだ言うなアホ ｣





アホ、なんて言葉には似つかわしくない、優しい笑顔で耳たぶを触られる





｢ そんなに怒らなくてもいいじゃないですか ｣








｢ 後輩が大口叩くな ｣








｢ 先輩は後輩いじめちゃダメなんですよ！ ｣







言い合いなんて、これから先ずっと、出来るのに






今言いたいこと、今伝えなきゃ、いけないのに







｢ かき氷、食べる？ ｣








｢ ……違う ｣








｢ え、いや、は？ ｣









｢ ずるいんです、瑞稀先輩は、いつだって、カッコよくて、勉強もできて、意地悪だと思えば、こってこてに甘くしてくるし、｣






ちゃんと伝えなきゃ、言われたもん







思ってること、素直に伝えてもいいって








｢ 好きだから幸せになってって思う反面、好きだから誰にも触れないでって、思っちゃって、もう、怖いんですっ… ｣








飛び込んでおいでって、言われたから








｢ 欲が、深くなっちゃって、怖い、ってこと？ ｣








その歌声に、少しだけ恐怖を覚えた

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