検索窓
今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:48,691 hit

偽りのない音 ページ2

.

You Side









また、今日みたいな明日が来ると思っていた









朝早く起きて、ご飯を食べて、学校へ行き、少し夜更かしをして寝る








平和なのかもしれないけど、この生活が昔から大嫌いだった








別に親が冷たいとか、友達がいないとか、そういうわけじゃない







むしろ、親との関係は良好だったし、私の為に喜んだり泣いたりしてくれる友達も居た








けど、全員一方通行、私は誰にも心を開かなかった









世間的に言えば、控えめで静かな方で








わかりやすく言うと、化粧をして、放課後はカラオケに行ったり、少し背伸びをしてお酒とか飲んでみたりする子、そういうタイプではない








だから、高校生になっても、また何事もない毎日を過ごすと思っていた、思い込ませてた








なのに、なのに、









体育館に響き渡る、素人でも上手いとわかるくらいの、透き通るような歌声が聴こえてきた









入学して2ヶ月、クラスの子に、放課後行ってみようよ!と言われ連れてこられた、軽音部の定期演奏会








音楽とか、別に興味なんて全くなかったから







なにか理由を付けて途中で帰ろうと思っていた








けれど、聴こえてくる歌声に、進む足を止められることは出来なくて









大きな歓声にも負けないくらいのその声量に、私の心の奥が大きく揺れた









まるで、生きてきた中で、一度だけ味わった恋に堕ちる感覚、そんな感じだった









人混みを掻き分けて、一列目まで行くと








私の目に映ったのは、堂々と歌う男の人と、周りで楽器を演奏する男女を合わせた、四人の姿








四人居ても、やっぱり目が行くのは真ん中の人








男にしては少し高めの音域で、真剣な眼差しで歌う彼に








一度たりとも目を離せなかった






.







.







演奏が終わり、たくさん居た生徒も続々と帰っていったけれど








あの歌声が頭の中をぐるぐると回ってる感じがすごく不思議で








体育館の隅っこで、一人で余韻に浸っていた








すると、軽音部の人に声をかけられた








「 可愛い子が居るー、俺のファン? 」








「 んなわけないでしょ!涼みたいなの誰が好きになるか! 」








と、軽音部唯一の女の人が後ろからペシッと叩いていた

その声に→←プロローグ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (123 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
357人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふー(プロフ) - 久しぶりの通知にウキウキしたらイトさんがリクエストを聞いて下さると!こんな嬉しいことないです!!私は那須担なので書いて頂けたら那須くんも是非読みたいですが、個人的には優斗くんが読みたい!……結果、決めきれなかったです(笑)新しい作品も楽しみにしてます! (2019年1月9日 23時) (レス) id: 027a286ac5 (このIDを非表示/違反報告)
イト(プロフ) - れいにーさん» コメント有難うございます。作ちゃんいいですよね、、姿を見るとつい見蕩れてしまいます、、(笑)ぜひ、参考にさせてください。 (2018年12月30日 1時) (レス) id: adaa3b2d42 (このIDを非表示/違反報告)
れいにー(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。久しぶりの通知で、リクエストができるとなったら、私が出しゃばらせていただきます(笑)私自身は瑞稀担なのですが、どうしようもなく作ちゃんが好きなので、作ちゃんをメインに据えたお話が読んでみたいです…! (2018年12月29日 23時) (レス) id: 8a47dbb0fa (このIDを非表示/違反報告)
イト(プロフ) - hn87landさん» 先方様の心の何処かに留まることが出来たのならば私も嬉しく思います。一人でも読みたいという声があるのならばそれに応える迄です。少し時間がかかってしまうのを承知の上でお待ち頂けると光栄です。こちらこそご愛読頂き有難う御座いました。 (2018年8月10日 2時) (レス) id: adaa3b2d42 (このIDを非表示/違反報告)
hn87land(プロフ) - 初めてこんなに苦しく切ない気持ちになりました。烏滸がましいのは承知の上ですが、ぜひ最期のおはなしの瑞稀くんサイドも見たいです。書く気がなかったのなら無理強いはしません。ぜひご検討お願い致します。素晴らしい作品をありがとうございました。 (2018年8月9日 22時) (レス) id: 8a2aac413e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イト | 作成日時:2018年4月8日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。