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番外編 オタクさん2 ページ8

「今回は……イベントがもうそれはそれは忙しくて…いやなに……んぐ、今まで蓄積ふぃてきふぁ、ふぉいんとを……だね」


「姐ちゃん、食べてから喋ってくれない?」



スマホ片手に肉まんを頬張る姐ちゃんから今回の
イベントの説明を受ける。

えー、具体的に言うと、

イベント参加→参加時から貢ぎポイントなるものを
貯める→ランキング上位には救済チケットを配布……

こんな感じである。ちなみに救済チケットというのはミスった選択肢を一度だけ無効化してくれるチケットらしい。

三枚くれるらしいのだが、彼女の機嫌を取る選択イベントは一人攻略するにつき30回ある。明らかに足りない。



「じゃあ今回はイベント手伝えばいいんだね?
課金できる魔法のカードから姐ちゃんのスマホへありったけのお金を……」


「いや、違うよ」



カードの山を漁りかけていた手を止める。
明らかに困惑している私に、甘酒を喉へと流し込んだ
姐ちゃんはスマホ画面を私に向けた。
画面一杯に美女がいる。



「じゃ〜ん、ストーリー攻略〜
……つーわけで、頼んだ」


「私に死ねと?」


「お願い、沢。姐ちゃんからの一生のお願いなの。
どうしてもやり通さなきゃいけない正義(イベント)がある。その為に必要なことなんだ」


「壮大に語ってるけど、それただ姐ちゃんが楽したいだけじゃない?」


「うん」


「即答かよ」



これ以上文句を言っても埒があかないので、さっさと作業を進めるべくスマホを借りる。

こうなりゃヤケだ。


私は黙々とギャルゲー攻略を開始した。



ーーーーーーーーーー



〜数分後〜


「死にゲーじゃん…」



スマホを片手に床へ突っ伏す。
始めてたった数分しか経っていないのに私のSAN値は極限状態だった。

駄目だ、終わる気がしない。ルート選択が多すぎるのも考えものだ。一体どこが正しいルートなのかすら
分からない。



「姐ちゃん……たすけて、思った以上に辛い……」


「わ、すご。見事にバッドエンドまっしぐらだね。
どれどれ〜お姉ちゃんに任せなさい」



姐ちゃんに助けを求めると、割とすんなり協力してくれた。姐ちゃんは特に考えもせずに画面を軽やかに
タップしていく。

しばらくして姐ちゃんは息を吐いたかと思うと、笑顔でスマホを手渡してきた。



「……ゴメン、最悪の選択肢押して死んじゃった。
もっかい初めからオネガイシマス」


「ふざけないで戴きたい」


「これは、世界を救う戦いである」


「黙って」




__終われ__

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作者名:惰眠の雑食 | 作成日時:2021年3月21日 0時

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