アンチくん4 ページ5
「うっ、うぅ、うぇああ〜……」
「なんなのその泣き方。落ち着きなって」
現在、一鉄大号泣中。
意味が分からない?奇遇だね私もだよ。
まぁ理由は分かってるんだけれども。
どうしてこんなに号泣しているのか、理由は数分前のこと。
ーーーーーーーーーー
休日。
私は一鉄の家に行った。毎週恒例今週のベスト作品だと思うものを発表し合い、その作品について語り合うという行事を行うために。
一鉄の家のインターホンを押すと、出てきたのは一鉄ではなく一鉄の姉だった。
今日も相変わらず美人である。
「姐ちゃん、おはよう。一鉄いる?」
「沢か、おはよう。弟なら居るけど……今はやめておいた方がいいよ」
「もしかして何かしてるの?全裸で踊ってる?」
「いや違う。何でそう思った」
「ううん、大丈夫。アイツが全裸で踊り出していたって全然何も思わない」
「そんな弟はいらない」
出会い頭に話す話題としては中々にハードなものだが気にしない。
お邪魔します、と言って真っ直ぐ階段を上り、
迷うことなく廊下を歩く。そして一鉄の漫画専用部屋の扉を勢いよく開け放つと、
「おいおいおいおい嘘だろ何で、何で?
あんまりだぜワニ先生
玄弥ぁ…………」
今週のジャ○プを握りしめて暴れ狂う一鉄、もとい
アンチくんが居た。
ーーーーーーーーーー
そして冒頭に戻る。
コイツはやっぱりアンチに向いていない。
「良い奴なんだよ玄弥は、兄弟想いの良い子なんだよおおお……ッ、ゲッホゴッホオエッ」
「荒んでるねぇ。それより早く発表会しよう、新しいの持ってきたから」
「鬼ぃ…悪魔……人殺し……」
「鬼滅だけに?」
「うっせぇ……」
この後めちゃくちゃ発表会した。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:惰眠の雑食 | 作成日時:2021年3月21日 0時