美男美女は忙しい。 (ページ5)

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ケータイを開くと着歴が２件。
キム・ジョンイン
とかかれていた。

「うーんかけ直すべき？」

悩んでいると電話がかかって来た。

『もしもし？』

JI『なぜ１回で出ない。』

『あぁ、ちょっと寄り道してて気づかなかった。』

JI『気づけ。』

いや無理があるだろ。

と思いながらも一応謝っとく。

『すみません。』

JI『明日から一緒に登校するぞ。』

『…ごめんもう一回言ってもらえる？』

JI『お前駅は何処だ。』

無視かよ。
まぁ聞こえてたんだけど。

『○○駅だけど。』

JI『じゃあ俺の１個後か。
わかった。』

ブチッ

え、切るの？
一方的にも程がある。

「…チッ。なんなのよ。」

大体電車の時間だとか車両だとか合わせないで会えるわけないでしょうが。
馬鹿なのかなキム・ジョンインは。

だから私は会わないだろうと安心し切って寝てしまった。

＊
＊

翌日、いつもの時間のいつもの車両に乗り込むと、

JI「おはよ。」

い、いた…。

「お、おはよう…。」

何でここってわかったんだろう。

にしても…

「随分眠そうだね。」

JI「ん？あー俺朝弱いから。」

「あ、そう。」

会話が全く続かない。

自分よりも背の高いキム・ジョンインを見上げて、顔を見て思う。
やっぱり綺麗。

眠そうに目を瞑っていても滲みでるイケメンさというかなんというか。

何秒か見とれてしまった。

いかんいかん。
悪魔だぞこいつは。

ふと下に目をやるとイヤホンを片耳だけ外している。

どんな曲聞いてんだろ。

寝てるし、いっか。

と思って垂れている片耳のイヤホンをさして聞いてみる。

あ、私の好きなバンドだ！

そう思って顔を上げると既に起きていてこっちを見ていた。

目が合った瞬間に逸らされる。

別に逸らすことないのに。

「ねぇ、私これ好き！」

JI「へぇ！？」

「ちょ、なによおっきい声出さないで。」

JI「あ、あぁ。
んだぁよもう…」

何だか様子がおかしいけどほたっておく。

「このバンド！
かっこいいよね、今度LIVEにも行くんだよね～。」

ついつい私情を話してしまって、どうせ聞いてないかと思いながら目をキム・ジョンインの方にやると、すっこい綺麗に微笑んでいて、

JI「俺も好き。」

なんて言うから、今度は私が目を逸らす番だ。