JUMP短編集2[hkin多]

☆ ページ13

伊野尾side


それから俺は毎日10:00にあそこにいた



光｢今日もありがとうございます。最近毎日来てくれますね。｣

慧｢あ、残業で丁度この時間なんですよね｣


嘘。


ほんとに10:00まで残業のある日もある。だけどほとんどが彼のライブを見るために時間を潰してきている。



光｢へぇ、会社近いんですか？｣

慧｢はい、すぐそこで｣

光｢お疲れ様です。｣



彼の言う通り、俺は毎日来ている
毎日来て、毎日最後までいるからこうして話せることが出来ている。


少しずつだけど彼との距離も縮まった



光｢お名前、聞いてもいいですか？｣

慧｢あ、はい。伊 野尾慧です｣

光｢慧くん。違うな。いのちゃん？｣

慧｢へ？｣


だいぶマヌケな声が出た


光｢いのちゃんですね。俺のこと普通に光でいいですよ。｣


やっと名前聞けた、なんて嬉しそうに微笑む姿になぜかド○○キした



慧｢ひかる...？｣

光｢はい！...なんか、いのちゃんが言うとひらがなですね(笑)｣

慧｢へ？｣


いつもの癖でマヌケな声を出すのがひかるの前だと恥ずかしかった



光｢一緒に帰りません？方面どっちですか？｣

慧｢上りです...｣

光｢一緒だ！｣



途中の俺の乗り換えまで一緒に帰った


その道中の話は
同い年だから敬語はやめよう
としか覚えていない


どうしてしまったんだろう
記憶力には自信があるのに



光｢いのちゃん！｣

慧｢ひかる〜｣


いつしか俺達は友達のようにライブ以外でも会うようになっていた

その頃には自分の気持ちにもちゃんと気づいていた


光｢いのちゃんって彼女いんの？｣

慧｢へ？いないけど｣

光｢へ〜イケメンなのに？｣

慧｢ひかるに言われたくない。ひかるは？｣

光｢いない｣


普通の人ならチャンスと思える一言だけど俺は普通の恋ではない


光｢ベースばっかりって言われて2ヶ月前に振られた｣

慧｢2ヶ月...｣


それは俺が初めてひかるを見た時期とおなじ。


慧｢ていうか、ベースも弾くの？｣

光｢うん。ベースのが好きなんだけどさすがに路上でベースで歌うやついないでしょ？(笑)｣

慧｢まぁ、そうだけど、聞いてみたい｣

光｢ほんと？ベースなんて聞いても面白くないよ？｣

慧｢ひかるの音楽が好きだから｣

光｢っ//｣


一瞬耳が赤くなったのは気のせいかな？

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