お願い北くんこのことは黙ってて 【稲荷崎】

11杯目 ページ12

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色んな意味でドキドキした

こういう事があるであろうかと思ってたから人との関わりを極力避けてたわけで




「あ、白井先輩さっきぶりです」



『君は、角名くん』




この子はもっと気をつけなければならなそう




角「白井先輩って…」



『…え、なに。何でためてるの』



角「バイトしてません？」



『う、うんしてるけど何？』



角「うち禁止じゃないですか？」




ジリジリ迫ってくる角名くんがなんか怖くて、後退りするけど

後ろは壁だった絶望




角「夜のバイトって稼げます？」



『っ……カマかけてたりする？』



角「いいえ。これ、たまたま見ちゃって」




角名くんが見せてきたスマホの画面には、お客様に手を振る私

口元のほくろ、お気に入りのブレス




『誰かに言ったりした』



角「そんな事しないですよ。俺はただ気になるんふよ」



『なに』



角「誰にも言わないんで、俺もそこでバイトさせて下さいよ」




何言ってるんだこの子は

でも弱みを握られてるし…ボーイとしてって事なんだよね




『…オーナーに伝えとくよ』



角「今日は出勤ですか？」



『まぁ』



角「俺も行きます。なんでLINE交換しましょ」



『私君が怖いよ』




しょうがない。しょうがない

バレる訳には行かないの金銭的にも、生活も




角「部活終わったら連絡するんで」



『何時頃終わるの？』



角「7時過ぎくらいですかね」



『わかった』




やっぱりこの子は警戒しておくべきだった

赤木くんは言い逃れ出来たから良かったけども




角「じゃ、白井先輩また」



『はぁ…またね角名くん』









北「…」

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