想う 【3年A組】

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「なんだ、どうしたお前らー。
なんか、どんよりしているな,
そんなに体操がキツかったか？」



ぶっきーはこんなことをしてて楽しいのか、ヘラヘラしながらそう言った。



「…この状況でヘラヘラしてる方がおかしいだろ。」


「はははっ、確かに。」


「…なんでこんなことするのかちゃんと教えてよ。」


諏訪ちゃんのその問い掛けに、俺の質問に答えられたら……
澪奈が死んだ原因を突き止められたら、と答えた。


「けど今日は、もう一歩踏み込んだ質問をしよう。
昨日茅野が言ってたドーピング疑惑の件だ。
SNS マインドボイスに、"景山が全国大会でドーピングをした"という投稿があった。
そうだな？」

「……はい。」



さくらは小さく頷いた。



「探してみたら見つかったよ。投稿者は、"やり逃げX"。このやり逃げXは景山への執着が凄くてねぇ。」



するとぶっきーは印刷したやり逃げXの投稿を黒板に張り出した。



リアルタイムでも見ていたけど、目を背けたくなるような内容だった。




「…で問題の投稿が、これだ。」


"全国大会当日のロッカー。
景山澪奈選手の鞄に謎のカプセル"


その投稿には動画が添付されていて。

その動画では、怪しげな瓶に入れられた薬を飲む澪奈が映し出されていた。





だけどこれは、加工を施された動画だった。

………澪奈はドーピングなんてしていなかった。



「でも彼女はこの投稿がきっかけでジサツした。」


「…それが原因？」



口を開いたのは、仲が良かった香帆ちゃんだった。




「あぁ、本人から聞いたから間違いない。」







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