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クラスメイトが死んだ




あまりにも衝撃的な出来事に眠ることなんて出来なかった。



午前3時。

私の肩にもたれて眠っている花恋を真壁に委ねてそっと教室を出た。



トイレにでも行こうかな、なんて思ったけど

不意に手を引かれた。



「どこ行くんだよ、」



海斗だった。




『…どこってトイレ。顔洗いたくて。』

「寝れないの?」

『あんなの見たら寝られるわけないじゃん。』




一方的に繋がれてる手から熱が伝わる。



「…でも体力持たないよ。」

『とか言って里見も起きてるじゃん。』

「…そりゃあ、な。」



それから会話が途切れてしまった。



『…里見はさ、』

「ん?」



……澪奈のこと、好きだったんでしょ?



そう聞きたかったけど、

聞けなかった。



『ううん、何もない。』

「何それ、」




不意に、握られた手にぎゅっと力が込められた。

無意識なのかな?

こんなことする度に、私がどんなに苦しんでるか、君は知らないんだよな。



大きくて、少し冷たい手。



私を助けてくれた、大きな手。




私も同じように力を込めるように握り返した。





『ちゃんと生きて帰ってきたらさ、』

「うん。」

『…っくしゅん、』

「えぇ…」




あぁ、やらかした。

なんちゅうタイミングでくしゃみしてるんだよ。




「なんかそういうとこ、Aっぽい。」



笑いながらそう言えば、海斗が来ていたブレザーを私に掛けてくれた。



海斗の、匂いがする。




「…戻ろ?」



小さく頷いた私を見れば私の手を引いて歩き出す。


何だか懐かしいな、こういうの。






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「おやすみ、A。」

『おやすみ海斗。』



壁にもたれかかって静かに目を閉じる。

右手から感じる温もり。




私はやっと眠りについた。







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かぜすん(プロフ) - ソラさん» ううううソラさんの作品昨日夜中に読んでました(;_;)ドラマとは違う里見くんにトゥンクしてます…ソラさんの作品も楽しみにしています! (2019年2月26日 23時) (レス) id: e4de384fc3 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 里見くんの小説、楽しみに待っております! (2019年2月26日 15時) (レス) id: 06b27bfe9b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かぜすん | 作成日時:2019年2月25日 23時

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