８６話 だってさ。俺もそうだったから ページ47
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心「勇太！」
巧「あ、人使！もう大丈夫なのか！」
心「あ、俺は大丈夫。それより、勇太だ」
巧「個性の副作用で倒れたんだ」
心「大丈夫、すぐに終わるよ。」
そう言い、額に手をのせる
心「記憶、封印」
個性を発動させて、記憶を一部封印する。
勇「ん…人使？」
心「おはよう。勇太」
巧「心配かけさせやがって…」
勇「そっか…僕、倒れちゃったのか」
心「気にするな。記憶は後日渡すよ」
勇「うん、ありがとう」
心「おう」
勇「…ごめん。僕、大事な時に何時もこれだ」
心「何で？」
勇「何時もそうだ。僕が倒れてるときには絶対人使が危険な目に会ってるんだよ…僕が、一番分かるはずなのに」
巧「バーカ。人使がそうそうやられるわけないだろ」
心「俺危険に会う前提？」
二人「いや、うん」
心「はい？」
巧「だって、人使はどんなに危険な目にあっても何も言わないし」
勇「シレッと怪我してるし」
心「…ごめん？」
巧「なんで疑問符なんだよ！それに今だって…」
無茶してるじゃないか
ギュッと手を握りしめる
心「…全然。俺はそんなに無茶してないよ？。それに、何で俺が無茶しなきゃいけないんだ」
そう自嘲気味に笑う
巧「うそ…つかないでくれよ。頼むから、こういう嘘は、つかないでくれ」
心「…ごめん。けどさ、お前ら安心するだろ？俺知ってるんだよ？小学校の時、俺を見たら皆が安心してる」
巧「何で、知って」
思わず、本音を話す
勇「何時から、気付いてたの？」
ばつが悪そうに目を背ける
心「小3の頃から？特に創先生居なくなってから何時もだったろ？」
当然のように答える
心「だってさ。俺もそうだったから」
目をそらしながら言う
巧「え？」
心「毎日学校に来てさ。あ、今日も皆がいる。大丈夫って、毎日安心してた。」
知ってるから、全員があの教室に揃うってとても難しいんだって
心「創先生の後さ、尚更思った。今日行ったら、誰かいなかったらどうしようか。学校に行くまで不安で、だけどいったら毎日全員が揃ってくれる。あの空間が、俺にはとても安心できる空間だった」
巧「…よし！人使！退院いつだ？」
心「え？…さあ、詳しくは分からないが特に異常は…」
巧「そっか…」
勇「どうしたんだ？急に」
巧「もう一度、皆で集まろうぜ！俺が集める」
心「え…」
勇「は？」
巧「ど、どうしたんだよ」
二人「何当たり前の事を」
全員の顔に笑みが浮かんだ
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作者名：通りすがりの某氏 | 作成日時：2017年11月9日 21時
