呪術師なんで魔法は使えません 2

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『誰？さっきから私の後をつけているのは。』


ランス君たちから離れた場所まで行き、先程から感じていた気配に声をかける。

すると、木の上から降りてきたのはイーストンのローブを来たごく一般の男子生徒。


ただ様子がおかしい。

私、一般生徒に目付けられるようなことしたかな。
目元がよく見えないので表情を汲み取ることが出来ないが、


｢ワールウィンド。｣


問答無用で相手は攻撃を仕掛けてきた。
風が刃物のように鋭く吹き、頬を掠める。

元は風のはずなのに、威力が半端ない。

話が伝わる状況じゃないな。
一先ずここは相手の動きを止めるしか。

あまり生徒に術式を使いたくはないんだが…


｢…一級、呪術師…み、宮、原A…｣
『は？』

｢相手、ニ幻、覚を見せ、ル…術式、｣
『なんでお前がそれを…』


動揺した隙に距離を詰められ、魔法が直撃し大木に身体を打ち付けられた。

クッソ頭痛てぇ。

なんでこいつが私の情報を知っているんだ。
呪術関係者…じゃない。
呪力がないからこの世界の人間のはず…。

いや待て。変に絡まって…
もしかして、術式がかけられているのか。


『洗脳されてる…？』
｢仕留め、ル。ミ、や原A…｣













｢仕留メて、連レ、て帰、ル…｣


連れて帰る？何処に、！？

だが間違いない。
この人は何者かによって洗脳されている。

…そして私を捕まえようとしている。
この人のためにも、まずは洗脳を解かなければ。
洗脳ならもしかしたら私の術式でいけるかもしれないけど…

元々の魔法、風を操るのが厄介だな。
近づこうにも近づけない。

一定の距離近づけば、風で吹き飛ばされる。
かといってこのままでは相手の方にも私を捕らえる術は無いはずだ。

ならばこちらから仕掛けるのみ。

真っ向から走っていき、魔法が使われた瞬間に、体勢を低くして相手の脹脛に蹴りを入れバランスを崩す。
立ち上がられる前に背後に回った。

私の勝ちだ。


『幻想呪法 吉夢』


これで洗脳された情報を上書き出来るはず。
これで目覚めた時には洗脳も解けているだろう。
眠るように動かなくなった彼を木に立て掛けてあげる。


一旦、この子目覚めるまで休憩すっか。

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