呪術師なんで魔法は使えません 2

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｢ほらここだよ。懐かしいなぁ、あれ拾う前まではここで授業ぶっぱしてたっけ。｣
『確かにここなら先生にも見つかりそうにありませんね。』


外にある裏庭的な場所で、滅多に人目に付かない場所だ。
…ここなら誰かが呪物を置きに侵入してたとしても気付かれないかも。


｢確かこの中に…あれ、入ってない。おかしいな…｣
『少し見せてください。』


先輩が呪物を入れたと言った百葉箱の中には呪物そのものは無いが、残穢はしっかりとこびり付いていた。
ここにあったのは間違いないらしい。

１ヶ月くらい前…私がこの世界に来たのと同じくらいに無くなった様だ。

それはそうか。
誰かが私をこちらに連れて来る為に持ち去ったと考えてもいいか。
後は何故ここに置かれていたかだけど…


｢ごめんな…無くなってるみたいだ。｣
『いえ、これだけ分かれば十分です。ありがとうございます！』

｢まあ、役に立てたなら良かったぜ！！｣
｢もし良かったらこの後俺とお茶、｣
『大丈夫です。』
｢いやでもお茶｣
『結構です。』
｢ﾊｲ…｣


もう日が暮れてきたし、部屋に戻ってしまおう。
呪物は手に入らなかったものの、進歩はあったから良しとしますか。

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