呪術師なんで魔法は使えません 2

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フクロウ小屋の一件から場面は変わり、翌日の放課後。

もう七魔牙との争いは目前らしい。
マッシュ君とランス君は己の目標の為に頑張っている。

私も出来ることは手伝ってあげたいけど…
自分の目的は何一つ進展ないんだよなぁ。

今はその目的である呪物の捜索＆情報収集中…
全寮の人が入れるところを中心に辿ってるけど、やっぱわからん。
もうこの学校にないって言われた方が納得出来るよ…。
最近わかってきた事だが、この世界に慣れてきたおかげか、ある程度の魔力も感じ取れる様になってきた気がする。

他人の魔力量とか、魔力の流れとか…。
呪力と似てるところがあるのかも。


一刻でも早く、呪物を見つけてこの一連の騒動に決着をつけないといけないのに。

今日の周回ももう終わりかな、と思った時。
私は前方から迫る気配に気が付かなかった。


『！！』


すれ違った時に感じた僅かな呪力。
あの時、呪物を回収に行った森で感じたのと少し薄いけど同じ呪力。
間違いない、｢幻廊の鏡｣の気配！

頭で理解した後に振り返るもすれ違った人は人混みに紛れてしまっていた。

まずい、今すぐに追いかけないと。

人混みを掻き分けながら呪力の気配を追う。
人の圧に押されそうだ…。
とりあえず、今目の前の獲物を逃がすまいと無我夢中で追いかけた。


だんだん人の影も薄れてきた辺りでようやく呪物を持っていると思わしき人物の後ろ姿を捉えた。
その人は角を右に曲がって行った。


『ちょっと、まっ…！』


私も角を曲がろうとすると、タイミングが良かったのか悪かったのか、角から出てきた誰かにぶつかった。

こ、これが恋愛フラグってやつ！！？？？
じゃなくて、


『わ、ごめんなさ…痛っ。』


私の体に何かとぶつかった衝撃が走った。
え、何、どゆこと？
今何かに当たってないのに。

最初にぶつかった時と2回の痛みがあった。
もしかしてラグい？


相手の姿を見ると赤紫色の長めの跳ねっ毛に長い前髪。
髪と同色で何を考えているか分からない瞳孔の開かれた瞳。

第一印象は良いとはいえなかった。


目の前の男は私がぶつかった時から微動だにせず、じっとこちらを見ている。
私も訳が分からずその場で動けずにいると、先に口を開いたのは向こうだった。


｢…雑魚が僕の前を歩くな。｣
『…はい？』

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