呪術師なんで魔法は使えません 2

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「ゴボゴボ、ゴボゴボボボゴボボゴボ」


待ってマッシュ君まだ溺れてた！！！
えしかもなんて？

今一度も泳いだことないって…

マッシュ君はそのまま水の中へと沈んでいってしまった。
泳いだ事ないって…さすがに死ぬ、


「私もすぐ行きますよ。シーシャーク！」


そう言った第六魔牙(シックス)はいきなりサメへと姿を変えた。
えぇ、なんかやだ。


「狩りの時間です。」


そうしてマッシュ君が沈んでいった水の中へと飛び込んで行った。
きっと、マッシュ君なら…大丈夫。


「おいA、お前は出来るだけ安全な所にいろ。」
『え、でも、私だって力になれるよ。』

「これは俺たちの山場だ。これくらい1人で勝てなければ神格者なんて目指せない。」


ランス君は本気だ。
ここで私が力を貸してもそれは正しいと言えるのだろうか。

ランス君の目標を私が曲げる訳にはいかない。


『…わかった。あまり怪我はしないでね。』
「ああ。わかっている。」


私は小屋の隅の方へと身を寄せた。
ここからなら様子は見れるし、万が一何かあっても…。










「俺の相手は貴様か…」
「お前に1ついい事を教えてやる。」
「あ？」

「勝負には、勝つ者と負ける者が存在する。」

「ホー。」


この人、当たり前のことをさも心理っぽく言ってやがる…。
だから勝負って言うんでしょうが。
意外とアホなのか、この人…？


「シュリケス！」


第七魔牙の人は先程と同じように円盤状の物をランス君に向かって操る。
よく見たら手裏剣に見えなくもないな。

ランス君は普通に躱す。
さっきも同じ攻撃だったし、効くわけないよね。
それに、あの魔法なら、ランス君の重力魔法で…


「グラビオ…！」
「ホー？」


どうして魔法を辞め…！
もしかして、フクロウを気にしてる！！？

第七魔牙の足元にはフクロウが数匹留まっていた。
確かにあそこで重力なんて扱ったらフクロウさんが潰れてしまう…！

ランス君はそれを危惧して攻撃しなかったのか。
なんて心優しい…。


「シュリケス！」


そんなランス君を気にも留めず、攻撃を繰り広げる。
フクロウさんで判断が鈍ってしまったランス君はギリギリで躱した。
頬に切り傷が、


「グラビオｯ…」


ランス君…！
でもこのままじゃ状況不利だ。

一体どうしたら、




「フンッ…そうだな妹よ。お兄ちゃんが間違っていた。」

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