呪術師なんで魔法は使えません 2

page63 ページ15

「なんだこれ？」

レモンちゃんに言われ連れてこられたのは、妙な時計のような大きい置物の前だった。

それぞれの寮のマークと、金のコインがある。
一体何を示してるんだろう？


「これは、寮ごとの金の硬貨数を表す魔法の秤です。よく見てください！」


なるほど、そういう事か。
もう一度秤をよく見ればレアン寮とでは針の指数が偏っていた。


「現在、レアン寮が殆どの金のコインを独占しています。」

「それに対して私たちアドラ寮はマッシュ君の1枚だけ。」
「今年度に入ってから急にレアンが他寮からコインの乱獲をしだしています。」

「それに対抗できる私たちの寮の上級生は今、学外インターンに行っていて…」


そういえば、マックス先輩がしばらく空けるとか言っていたような…？


「レアン寮は純血主義の排他的な思想をもちあわせてます。このままいけば、そのレアン寮から今年の神格者が…」

「オルカ寮の生徒たちは基本研究に没頭してますし…。つまり私たちアドラ寮生がこの事態を阻止しなければいけないということです！」


レモンちゃんは最後まで私たちに分かりやすく説明してくれた。
出来る子や…

ちゃんとマッシュ君やランス君達のために協力しようとしてくれてるんだな…。

…うわドット君ニコニコしながら鼻血出してる、こりゃまた一歩沼ったな。


「というわけですのでマッシュ君、頑張ってくださいね！」
「うん」
「ルｩｱｱｱｱｯｯｯ！！」


やっぱりレモンちゃん、マッシュ君のためでしたか…
ドット君の先は長そうだな。


『かなり深刻な状況だね。何かしらの手を打たないと…』

「なるほどな。つまりレアンの奴らを消さねば俺の目的は達成されない…と。」
「そういう事ですな。」
「おっしゃこらぁ！！殺るぜ！」


主に神格者を目指している3人はかっこよくポーズを決めた。
おぉ、やる気スイッチ。
これは何か事が起こる予感…！


「頑張ってね、みんな。」
『出来ることがあれば手伝うよ！』



「失われた平和を取り戻すために、ひと筋肉動かしますか。｣

page64→←page62

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す