TOP5になりましょうや的な？Ⅲ (ページ4)

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うっしーが吹き飛ばされる瞬間は今でも鮮明に覚えてる。
鈍く大きな音が響き、体に車体がぶつかる。
そのままオモチャみたいに簡単に飛んでいく。
人間はこうも軽いのかと思ってしまうくらいだ。

トラックは俺の目の前を走り抜け、そのまま電柱へ突っ込んでいった。
ガシャンという大きな音を立ててトラックは大破。
辺りは騒然とし、悲鳴や叫び声、逃げ惑う人々。
ガソリンの匂いがする。
壊れた衝撃で漏れたのか？
不味い。
電柱から火花が飛んでいる。

ガ「＿＿＿このままじゃ、爆発する」

俺は危険を感じ、とにかくうっしーを助けに走る。

ガ「うっしー！！」

道路の真ん中に倒れているうっしーに駆け寄り、だき抱える。
駄目だ、意識がない。
頭や胴から血が出ており、危険だと明確にわかる。
このままじゃ死ぬかもしれない。

ガ「…っ、止血！」

俺は持っている布を全部止血に使い、血が流れるのを止めようとする。
しかし止まらない。
本当にこのままじゃ不味い。

ガ「ぬ、布っ、布ないか！？」

止血に使えそうな物。
布、丈夫な。

ガ「…服っ！」

俺は上着を脱ぎ中の服の袖を千切ろうとする。
しかしそう簡単に取れはしない。

ガ「…っ、クソ！なんか切る物…！」

近くに何かないかと見渡す。
横断歩道、トラック、人。
…コーヒーのカップ。
セブンのだ。
うっしーのだろうか。
それとアレは…

『山椒柚子チップス』

お菓子の袋だろうか。
彼が食べるにしては趣味が違う気がする。

…いや、今はそんな事を考えてられない。
切る物だ。
トラックの窓ガラスがある。
割れて飛び散っている。
…破片で切れる。

ガ「い、急げ…！」

俺は急いで大破したトラックに駆け寄り飛び散っているフロントガラスを手に取る。
…運転手は頭が潰れている。
電柱に正面衝突したからだ。
エアーバッグは作動しなかったのか？
…考えても仕方ない。
ガラスを構え、服に通す。

ガ「っ…！」

距離感が掴めず腕に痛みが走る。
痛い。
しかし彼は今最も辛い思いをしている。

ガ「っ…うっしー、今止血するからっ…」

切った袖を捌き、包帯上に巻く。
荒いが何もしないよりは幾分もマシだ。
脈はあるか？
心臓の音は？
そう思って手首を掴む。
大丈夫、まだ止まってない。
生きてる。

ガ「…っ、うっしー、頑張って」

道路にいさせるのは危険だと思い、抱えて歩道へ運ぶ。
その間も、ポタポタと血が滴っていく。

ガ「っ……頼む、死なないでっ…」

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