TOP5になりましょうや的な？Ⅲ (ページ23)

今日:32 hit、昨日:42 hit、合計:6,751 hit

ちょっかいページ23

「＿＿たっけなぁ？」

カマかける理由なんて面白そうだからくらいで十分。
実際、いつもそれで楽しく終えてるからだ。
冗談だ、その一言で終わって双方笑顔で終わる。
いつも、そう。
みんなそれがカマだと気づくし。

キ「…へえ」

でも、今は何故か違う。

カマだと、気づく。
当たり前だ。
下の名前で呼ぶなんて冗談の一環でしかあり得ない。
だって、自分たちはネットの“実況者“って生き物だから。
名前がどれだけ重要で重いものか知ってる。
使い分けがちゃんとあるから。

本名なんて、まず呼ばない。
そう、内輪での冗談くらいでしか。
そんなのみんな心得てる。
「冗談」だと。

けど、なんで。
なんでそんな、

真剣な顔してんの。

キ「呼ばれたんだ」

どう返したらいい。
この状況、もう引き返せるかわからない。
今、嘘だとか言ったら…。
どうなっちゃうんだ。
……脳内トムブラウンみたいになっちゃった。
やっばいこの状況でなんてこと考えてんの自分。
笑いそう。

　「………ブフッ」

終わった。
マジで笑っちゃった。
馬鹿なんじゃない？
マジで救いようのないアホじゃない？

　「……っくくくく」

やばいツボったかも。
ほらキヨすっげえ困惑してるよ。
虚無を見つめてるよ。
焦点多分自分じゃないよ。

　「……っどこみってんっのっw」

本当に馬鹿。
笑いながら喋るな。
心は驚くほど冷静なの笑う。
また笑い止まらなくなってきた。

　「……っごめww」
キ「…俺なんかAが怖くなってきたんだけど」
　「…ごめんw…トムっブラっウンが…ww」
キ「トムブラウン？？」

だめだよもうキヨ恐怖感じてるよ本当に馬鹿だよ。
笑っちゃダメって思うほど笑い抑えられんくなって…。

キ「…大丈夫？止まった？」
　「……ん、もう大丈夫だわ。ちょっとツボっただけ」
キ「トムブラウンに」
　「そう、意味がわからない」
キ「俺が一番意味わかんねえけど」
　「すまん」

本当に申し訳ない。
あ、でも今なら言えそう。

　「…あの、さっきのただのちょっかいだから」
キ「え？」
　「名前の話」
キ「…え、ちょっかいなの？」
　「そりゃそうでしょ、カマに決まってんじゃん」

え、気づいてないじゃんホントに。
ガチだったの？

キ「じゃ、呼ばれてないの？」
　「まあ…そりゃ」
キ「…そっか」

なんだよ。
安堵してる？

キ「ん、もう聞くことない」
　「あ、そ？」
キ「うん、気をつけてね」

そう言ってキヨは自分を外まで送ってくれた。

…はぁ？？