カオスだな ky.side ページ39
寒さが透き通る寒色の廊下を進んでいく。
ブーツの様な少し硬めの靴を履いているので冷たい廊下にカツカツという音が響く。
キ「あのー…すいません。入院してる人のお見舞いに来たんですが」
「受付」と書かれたカウンターに声をかける。
受「はい、面会ですね？」
キ「そうです、多分先にもう一人面会に来てると思うんですけど…」
受「入院されている方のお名前を教えて頂いても良いでしょうか？」
キ「えーと、佐々木さんですね」
受「はい、えーと…佐々木さんですね。一時間程前にAさんという方が来られてます」
キ「はやっ…それって面会できる時間の最速ですか？」
受「そうですね…受け付け開始の10分後くらいですかね」
早すぎでしょ…。
俺も急ぎめで来たつもりだったんだけど。
なら今病室にいるかな。
キ「僕も今入っていいですか？」
受「どうぞ、お部屋の位置は…」
キ「あ、大丈夫です。以前来てるので」
受「あ、そうですか。ならご案内は必要ないでしょうか？」
キ「はい、ありがとうございました」
受「いえ、丁寧な受け答えありがとうございます」
受け付けの人に頭を下げて病室の方へ進む。
…やっぱりこの病院の人みんな感じ良いよな。
凄いスムーズ。
総合病院だし細かいとこは雑になりそうなもんだけど…。
キ「っさぶ……」
身に来るね、この寒さは。
病室のエアコン直ったらしいし多分あったかいはず。
キ「お邪魔しまーす＿＿」
いない。
なんで？？
うっしーがいない。
もぬけの殻だ。
ベッドに寝てる筈だろ。
拐われた？
それとも抜け出した？
いやそんなハズは…
？「…あら、お見舞いですか？」
キ「え」
後ろを振り向くと女の人が立っていた。
婦人…だな。
俺の母さんと大して歳は変わらなそうだ。
キ「えと…俺はこの病室に入院してる佐々木って人のお見舞いに…」
？「あら、そうですか…私はその子の母です。初めまして」
キ「え、お母さん？」
うっしーのお母さん…。
あ、そうか。ガッチさんが伝えてくれたんだっけ。
てか俺の事知らないっけ…。
婦「息子がお世話になってます」
キ「い、いえ。こちらこそいつも＿＿」
？「あれ？キヨくん」
あ、この声。
キ「レトさん？」
レ「おはよ、ってアレ？二人は？というかその方は…」
婦「初めまして、ええと…」
キ「めっちゃ混乱してきた」
まずいな状況が掴めない。
取り敢えずレトさんに説明しないと。
キ「えっと、レトさん。この人はうっしーのお母さん」
レ「え？あ、初めまして」
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作者名：Yとさん。 | 作成日時：2022年11月14日 22時
