TOP5になりましょうや的な？Ⅱ (ページ30)

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オシャンティカフェページ30

チリンチリン♪

扉のベルが軽快な音を鳴らす。

店「いらっしゃ〜い、あら、車椅子のお客様ね？」
「あ、はい。そうです」
店「ならこっちのカウンターにどうぞ。車椅子用の席ですからね」
「ありがとうございます〜」
牛「すいません、ありがとうございます」
店「ふふ、良いのよ。ゆっくりして行って下さいね」

牛ざ…佐々木さんは軽く会釈をしている。
お店のおばさんは優し〜い笑顔。
病院の施設だし身体の弱い人に対しての接し方は慣れてるのかな。
おばさんのいるカウンターは木製…てか店全体が木製っぽいデザインで森の図書館みたいな感じ。
アットホーム感があって落ち着く雰囲気だね。
入ってすぐのトコには椅子が横並びになったカウンターがある。
カウンターの奥は厨房かな？
レジがカウンターにある。
で、U字型のカウンターの左右にはテーブル席が計6組程。
カウンターの両端が車椅子席って感じかな？
自分たちは左の方へ誘導されてそっちに向かう。

牛「……いい雰囲気のお店だな」
「ね。アットホーム感」
店「あら、そう言って貰えて嬉しいです。内装拘ってるのよね〜」
「確かに…机のデザインとか窓枠とかかわいい」
店「ここは色んな年齢層の方がいらっしゃるから、落ち着いてて懐かしい雰囲気のある所にしたかったのよ」
牛「いいですね、落ち着く」

佐々木さんは辺りを首だけで見回しながら目を細め笑っている。

「メニュー表も木製デザイン…めっちゃいい」
牛「うお、マジだ。すげえ細かい所まで作られてる…」
店「そんなに褒められてもコーヒーのサービスくらいしか出来ないわよ〜」

そう言っておばさんはオシャレなカップに入ったコーヒーを二杯差し出してくれた。
めっちゃいい匂いするなこりゃ美味いだろ。

店「お兄さん達優しいしカッコイイものね。これくらい得してもバチは当たらないわよ？」
「やったー！ありがとうございます！」
牛「ちったぁ遠慮しなさい」
「…うす」

ちぇっ、良いだろ別にプレゼントを喜ぶのくらい！
卑屈な考えしないだけいいだろ！！

店「ふふ。ところで車椅子のお兄さんは事故か何かなのかしら？」
牛「あぁ、俺は交通事故で。トラックに轢かれたみたいですね。」
「実は記憶喪失なんですよね。自分のこと忘れてるんですよ薄情者め」
牛「仕方ねえだろ事故なんだから」

佐々木さんはカップに入った温かいコーヒーの湯気に驚きながらも口に入れる。

いつもなら、今眼鏡曇らせてるのにな。

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