・ uszw.side ページ13
俺はふと気付く。
あれ？俺がこのまま横断歩道渡ったらあの子供とすれ違って気まずい感じにならない？なるよね？
牛「…俺こっち側で突っ立っとくか」
俺はそれとなくジェスチャーをする。
右手の人差し指を下に向けその人差し指を俺に向ける。
多分伝わる筈。
しかし、男の子には伝わってないっぽい。
男「なにー？！お腹すいたのー？！！」
やめなさい。大人の男がわざわざ子供に横断歩道を挟んでまでそんな事言う訳が無いでしょう。
そうツッコミたくなるのを抑えてその場に突ったっている。
まあ俺がここに居ればあの子から来てくれるだろ。
その数秒後、信号の色が青へ変わる。
男「おじさーーん！！」
そう叫びながら左右を確認することなく俺の方へ一直線上に突撃しようとしてくる男の子。
しかし、
その時その横断歩道へ突っ込むトラックが見えた。
牛「……は、？」
そのトラックに気づいてるのは俺とガッチさんだけのようだ。
ガ「危な＿＿＿＿＿!」
しかしその当の本人は気づいていないようで俺の方へ走ってくる。
マズイ。
このままじゃ男の子にぶつかる。
男の子は既に半分渡りきった状態で、俺の方が近い。
周りの光景はスローで見える。
この、この状況。
＿＿＿＿＿まさか助けられるのは俺だけか？
その現実が見えた時には俺の足は動いてた。
手に持っていたコーヒーはその場には落としたし、
チップスの袋も落とした。
牛「っー！！っぶねえ！」
俺の普段鍛えもしてない細い足では抱えて走り去ることも出来ない。
全速力のスタートダッシュ。
出来るのは＿＿＿＿＿。
ああ、俺が助かるなんて選択肢考えてんじゃねえよ。
目の前の子供を助けろ。
それが
今、俺に出来る事だろ。
男「わぁっっ！！」
俺は男の子を突き飛ばすといっちゃあアレだけど突き飛ばした。
その俺のすぐ横にはトラックの車体。
ああ、ドライバー寝てんじゃねえか。
ふざけんなよ。
そんな事を思った頃には俺の体は宙へ投げ出され、痛みを感じる前に地面へ落下した。
宙へ投げ出されたと同時に、俺のパーカーのポケットからスマホが飛び出た。
落下地点は俺の顔の目の前。
意識を失う直前、目に映ったのは顔に流れる血と待ち受け画面の日付と時間。
「11月15日 17:38」
そんな文字を見た時ふと思い出す。
あー、
今日、俺の誕生日じゃねえかよクソッタレ。
俺はそのまま闇の中へと意識を手放した。
闇の中からどうもこんにちは。 uszw.side→←・ uszw.side
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作者名：Yとさん。 | 作成日時：2022年11月14日 22時
