護 ページ46
目が覚めたと自覚するよりも早く壁をぶち破る。
子供が私を見るなり
「だぁっ、クソッ、またかよ!!」
と露骨に苛立ちを露わにし始めた。
『ええそうです、"また"ですよ!!』
避けられるとわかっていても突進を繰り出し、案の定避けた子供を追い掛ける。
すると子供は何故か、デタラメにナイフを振りまわし始めた。
その斬撃は私が避けるまでもなく、柱にぶつかっていく。
『いったいどこを攻撃しているんです、私はここですよ!』
両手をパンパンと鳴らし挑発するも、何故か子供はこちらには向かってこなかった。
息を乱しながら立ち尽くし、私を睨んでは嫌な笑みを浮かべる。
……まさか。
咄嗟に先ほどまで斬撃を浴びせられていた柱を見上げた。
私が柱を見上げると同時に柱は崩れ始め、頭上に大きな瓦礫が迫る。
─…避けきれない。クソッ、"次"は喰らわないぞ。
この夢が覚めるまでは私が何があっても子供の邪魔を、彼を守ると、決意した。
衝撃。
凄まじい圧力。
体の中から重要な器官が押し出される感覚の後。
………暗転。
─────────────────────
……それから、私は何度子供の邪魔をし、そして殺されたのだろうか。
多分もう、2桁は確実に超えている。
もしかしたらあと少しで3桁に突入するのではとも思い始めた。
こうしてサンズさんを腕の中に抱えながら逃げ回るのも、もう何回目になるのかわからない。
いつになったらこの夢は醒めるのだろうか、明晰夢にしては余りにもリアルすぎて夢だと思えなくなってきた。
子供の斬撃を避けながら逃げ続けていると、突然子供は攻撃の手をやめ頭を掻きむしり始める。
「…ぁぁぁぁああああ!! もう、うざいんだよ!! なんなんだよお前!! いきなり現れやがって、俺の邪魔すんじゃねぇよ!!」
子供は私を睨みつけ、地団駄を踏みながら怒鳴り散らす。
…この時私は漸く、その子供の声が老若男女全ての声が混ざった歪なものであると言うことに気が付いた。
「ロードしてもロードしても現れやがって、なんだよお前!! 新たなイベントか!? イベントでも余りにも不規則すぎんだよ!! NO_DATAってなんだよ!! 数値も弄れねえし、ふざけんな作者!!」
意味のわからないことを怒鳴りながら頭を掻きむしる子供。
…ここである考えが確信に変わる。
あの子は…彼は、"フリスク"さんではない。
何か別のものが、あの子の体に取り憑いている。
では、何のためにフリスクさんの体に取り憑いているんだ…?
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モブくん_通行人A(プロフ) - 夢川さん» めちゃきついですねぇぇ (2021年11月29日 4時) (レス) @page48 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん_通行人Aさん» イケおじには肉体的に死ぬ前に精神的に死んでいただきます! 通行人Aさんにはイケおじが壊れていく様を見ていただきたいので、死なないでくださいね! (2021年11月28日 21時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん_通行人A(プロフ) - オァ…キチィヨォ…早く救急車…イケオジが死んじまう…それより前におれが死んじまう… (2021年11月28日 19時) (レス) @page39 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん_通行人Aさん» アッワッアッ…アリガトウゴザイマs…楽しんでイタダケテ何よりでs...頑張って続き書いてイキマs... (2021年11月27日 15時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん_通行人A(プロフ) - アッアッアッ好きでs…ムリ…尊…い…楽しく読んでます頑張ってくださ…(絶命) (2021年11月27日 15時) (レス) @page28 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢川 | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/item/da3d119d46aa3a420b503d00d3fa8e22/1637423635...
作成日時:2021年11月21日 1時