遮 ページ26
ふと声の方向へ視線を向けると、遠くからおかっぱ頭の横縞のシャツを着た子供がこちら目掛けて駆けてくるのが見える。
その姿を認識したサンズさんは、何故か小さく舌を打ち鳴らした。
…彼の雰囲気が変わる、機嫌が悪くなったのだろうか。
でも何故…?
「っはぁ、はぁっ、サンズ、ようやく見つけた…すっごく探したんだから!」
子供は私達が座っているベンチの前に辿り着くと、荒れた息をなんとか落ち着かせながら言葉を紡ぐ。
…あ!
この子供、なんか見覚えがあると思ったら…モンスターと人間の架け橋を勤めている親善大使のフリスク・ドリーマーさんだ!
齢一桁という幼さでありながらモンスター達を地下から解き放った天使と呼ばれている子…。
そういえば、サンズさんはパーティー会場から逃げて来たと言っていた…まさかこの子はこんな夜にひとりで彼を探しにここまで来たのか…?
「別に探してくれなんて頼んだ覚えはないぜ」
「そんなこと言って…パピルスもママもアンダインも、みんな心配してたんだから…」
「ならその心配は無用だって伝えておいてくれ、俺は暫くこの人間と一緒にいるからよ」
そういうと、サンズさんは私の腕に彼自身の腕を絡めて来た…所謂腕組み状態。
それを見たフリスクさんは一瞬私の事を睨むと、再びサンズさんに向き直る。
…もしかして私フリスクさんに嫌われた感じかな?
「知らない人についていっちゃダメってママに言われたでしょ」
「それはちびっ子であるアンタに向けられた言葉だ。俺に向けられたもんじゃない」
「…ねぇサンズ、僕は君の為を思って言ってるんだ! 早くみんなのところに戻ろう!」
グイ、ベンチに座ったままのサンズさんの腕を掴むフリスクさん。
すると
「触るな!」
サンズさんはフリスクさんの手を強く振り解いた。
「さ、さんず…?」
困惑した様子で彼を見るフリスクさんを他所に、私の腕を離したサンズさんはゆっくりベンチから降りた。
「オイラの…俺の、ためだって…? 今まで、散々…俺の唯一の願いを踏み躙り続けたお前が、それを言うのか?」
怒ってる。
何がきっかけになったのかはわからないけど、今の彼はとても怒ってる…。
彼の怒気に押されたのか、フリスクさんは顔を引き攣らせて一歩、また一歩と後ろへ下がる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Undertale」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モブくん＿通行人A(プロフ) - 夢川さん» めちゃきついですねぇぇ (2021年11月29日 4時) (
レス) @page48 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん＿通行人Aさん» イケおじには肉体的に死ぬ前に精神的に死んでいただきます! 通行人Aさんにはイケおじが壊れていく様を見ていただきたいので、死なないでくださいね! (2021年11月28日 21時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん＿通行人A(プロフ) - ｵｧ…ｷﾁｨﾖｫ…早く救急車…イケオジが死んじまう…それより前におれが死んじまう… (2021年11月28日 19時) (レス) @page39 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん＿通行人Aさん» ｱｯﾜｯｱｯ…ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏs…楽しんでｲﾀﾀﾞｹﾃ何よりでs...頑張って続き書いてｲｷﾏs... (2021年11月27日 15時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん＿通行人A(プロフ) - ｱｯｱｯｱｯ好きでs…ﾑﾘ…尊…い…楽しく読んでます頑張ってくださ…(絶命) (2021年11月27日 15時) (レス) @page28 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢川 | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/item/da3d119d46aa3a420b503d00d3fa8e22/1637423635...
作成日時：2021年11月21日 1時
