途 ページ20
翌日。
サンズさんは店に来なかった。
オットーさんを始めた常連客達は、今日はあの子は来ていないのか、あの子と何かあったのかと、とにかく私に質問を続けた。
それに正直に答えて仕舞えば良かったのに、何故か私は正直に話せなかった。
彼の気持ちを否定した事を、拒絶した事を、口にしたくなかった。
だから咄嗟に、別の事を答えた。
『今日は地下解放1周年記念パーティーがあるので、そちらに参加しているんじゃないですかね』
私の言葉に、あっさりと常連客達は納得してしまう。
…何故、私は今嘘をついてしまったのだろう。
自分自身の事なのに、何故自分が嘘をついたのか理解出来なかった。
ただわかるのは、胸の内にあった罪悪感が先程よりも増し、肩に重くのしかかって来る事だけだった。
────────────────────────
午後18時過ぎ。
常連客達は帰路につき、私も店仕舞いの準備をする。
洗い終わったグラスと皿の水滴を拭い取り食器棚に戻して、床を箒とモップで掃除する。
テーブルの上の水垢や、椅子の上に落ちているパンのかけらなども全て掃除し、ひと段落ついた。
ふと、店内を見渡す。
……。
…この店は、こんなに寂しい雰囲気だっただろうか。
たった1人の客が来ないだけで、こうも店の雰囲気は変わるのだろうか。
…どうやら彼…サンズさんの存在は、私の中でかなり大きなものになっていたらしい。
つい先日会ったばかりの、ほぼ他人のような関係なのに、何故こんなにも私は彼の事を気にしてしまっているのだろう。
…彼の思いを否定した私に、彼を気にする権利があるのだろうか。
『…あー』
気疲れか、それとも背筋を伝う罪悪感のせいなのか酷く気怠くて、カウンターテーブルに寄りかかる。
…もう帰ろう、帰ってごはん食べてお風呂に入って寝よう。
カウンターテーブルから身を離し、エプロンを脱いでブラウンのロングコートを羽織った。
最後に首にマフラーを巻き、帰る準備完了。
店内の灯りを落とし、鍵を閉めて裏口から出る。
途端に冬の鋭い空気が体を突き刺した。
急激な温度変化に体が小さく震える。
『…ちょっと寄り道でもするか』
誰に言うわけでもなく1人呟くと、私は自宅とは真反対の方向へと足を進めた。
酷く疲れていたけど、今はどうしても外の冷たい空気に触れて頭を冷やしたかった。
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モブくん＿通行人A(プロフ) - 夢川さん» めちゃきついですねぇぇ (2021年11月29日 4時) (
レス) @page48 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん＿通行人Aさん» イケおじには肉体的に死ぬ前に精神的に死んでいただきます! 通行人Aさんにはイケおじが壊れていく様を見ていただきたいので、死なないでくださいね! (2021年11月28日 21時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん＿通行人A(プロフ) - ｵｧ…ｷﾁｨﾖｫ…早く救急車…イケオジが死んじまう…それより前におれが死んじまう… (2021年11月28日 19時) (レス) @page39 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん＿通行人Aさん» ｱｯﾜｯｱｯ…ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏs…楽しんでｲﾀﾀﾞｹﾃ何よりでs...頑張って続き書いてｲｷﾏs... (2021年11月27日 15時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん＿通行人A(プロフ) - ｱｯｱｯｱｯ好きでs…ﾑﾘ…尊…い…楽しく読んでます頑張ってくださ…(絶命) (2021年11月27日 15時) (レス) @page28 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢川 | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/item/da3d119d46aa3a420b503d00d3fa8e22/1637423635...
作成日時：2021年11月21日 1時
