翌 ページ12
午前11時45分。
アンティーク風のガラス張りの扉に、[open]と書かれた看板を大通りから見えるように吊り下げようとしてカウンター裏から出る。
だが、私の足はカウンター裏から出たところで止まってしまう。
「よ」
そこには、スケルトンの彼が立っていた。
昨日の事が嘘のように、まるでそこにいるのが当たり前のように。
『…まだ開店時間じゃありませんよ』
「でもこれから開店だろ?」
『…鍵、閉まってた筈なんですけど』
「へへ、近道を使ったのさ」
おちゃらけた様にウィンクをする彼の姿が次の瞬間にはその場から消え、私の左隣にあるカウンターチェアの上にパッと現れた。
これが彼の言う"近道"、所謂瞬間移動か。
正直SF好きな自分としてはこの技を見せられると酷く興奮するのだが、今は客人の前…平静を保たないと。
『あの、入店するのならせめて[open]の看板を掛けてからにしてくれませんかね』
「…俺が店に来るの、イヤかい?」
『そういうことじゃなくて、純粋にまだ商品の準備が出来てないんですよ。それでいきなり注文を受けたら、お客様を待たせてしまう…私はそれが嫌だから、万全の準備を整えてから店を開きたいんです』
ガラス扉に掛かっている看板をひっくり返し、テーブル、椅子、それらの所に不備がないかを点検して、カウンター裏に戻りアイスコーヒーとアイスミルクティーの準備を程々にしておく。
その私が行う一連の作業をじっと見ていた彼は、ぼんやりと口を開いた。
「…モンスターの俺が店に来るの、イヤじゃないのか?」
『貴方がモンスターであろうと、貴方はこの店に来た"お客様"です。私は人間、モンスター、そういう種族の違いはどうでもいいんです。どのような人であれお客様は平等に迎え入れるのが私のモットーなんです』
他所のモンスターお断りとかいう心が狭い人達と私を一緒にしないでください、私は彼に少しばかり強い口調で言い放つと、僅かに曇りが残っていたグラスを布巾で拭いた。
「へ、へへ、ははははっ…そうか、そっかぁ…ははは」
どうしたのだろう、私の一連の言葉を呆然と聞いていた彼は、カウンターにぽふりと突っ伏すと肩を揺らして笑った。
暫くすると彼はゆっくりと身を起こし、柔らかな笑顔を浮かべて私を見つめながら左手を差し出して来た。
「俺はサンズ、スケルトンのサンズさ。なぁ、アンタの名前は?」
『…Aです』
「そっか、よろしくな、A」
差し出された小さな左手を、私は右手で柔らかく包み、握手を返した。
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モブくん＿通行人A(プロフ) - 夢川さん» めちゃきついですねぇぇ (2021年11月29日 4時) (
レス) @page48 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん＿通行人Aさん» イケおじには肉体的に死ぬ前に精神的に死んでいただきます! 通行人Aさんにはイケおじが壊れていく様を見ていただきたいので、死なないでくださいね! (2021年11月28日 21時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん＿通行人A(プロフ) - ｵｧ…ｷﾁｨﾖｫ…早く救急車…イケオジが死んじまう…それより前におれが死んじまう… (2021年11月28日 19時) (レス) @page39 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
夢川(プロフ) - モブくん＿通行人Aさん» ｱｯﾜｯｱｯ…ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏs…楽しんでｲﾀﾀﾞｹﾃ何よりでs...頑張って続き書いてｲｷﾏs... (2021年11月27日 15時) (レス) id: f5c230c4ae (このIDを非表示/違反報告)
モブくん＿通行人A(プロフ) - ｱｯｱｯｱｯ好きでs…ﾑﾘ…尊…い…楽しく読んでます頑張ってくださ…(絶命) (2021年11月27日 15時) (レス) @page28 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢川 | 作者ホームページ：http://ulog.u.nosv.org/item/da3d119d46aa3a420b503d00d3fa8e22/1637423635...
作成日時：2021年11月21日 1時
