室町ラブロマンス (ページ10)

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その装束は見慣れてきたページ10

それなりに時間が経ち、お客さんの客足も落ち着いてきた頃。

少しずつ見慣れてきた装束を着た人が2人。

「やぁ、久しぶりだね。看板娘さん」

『あ、雑渡昆奈門さん。お久しぶりです。甘味を食べていかれますか？』

「うん、是非そうしたい。行くぞ、尊奈門」

「組頭！？まだ食べるんですか！？」

「何だ、お前は食べたくないのか？」

「いや、食べますけど…」

食べる方向なんかい。

2人を席に案内して、お茶を差し出す。

「…こんなに綺麗に着飾っていたら、そこら辺の男は目がないだろうね」

『お褒めの言葉、ありがとうございます』

「う～ん、お世辞のつもりじゃないんだけどなぁ」

雑渡さんの言葉に感謝をしつつ、裏へと甘味を取りに行く。

なんとまぁ、文化祭で出せるのはこれが最後の甘味である。

『雑渡さん、諸泉さん、これが最後の甘味です。運が良かったですね』

「ありがとう。美味しく頂くよ」

表に完売の文字を出して、立花先輩に声をかけに行く。

どうやら、作法委員会が一番最初に完売したらしい。

これは優勝候補なのでは？

「よし、お前達。今日はお疲れ様。後はゆっくり休んでくれ」

その言葉を皮切りに、兵太夫は大の字に横になる。

それを端ないと注意する伝七だけど、彼もまた大の字になりたそうなので、そう声をかけると少し顔を赤らめて大の字になった。

藤内は、後片付けをする私と立花先輩と喜八郎を手伝うと言って聞かなかったので、手伝ってもらうことにした。

その後、一年生2人もそれに気付いて手伝うと聞かなかったので、結局みんなでワイワイしながら片付けをした。

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