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その理由は直接言わない ページ5

『夜分遅くにすみません、立花先輩は居られますか?』



その晩、私は6年い組の部屋を訪れた



「あぁ、Aか。入っていいぞ」



要件は至って簡単で、私が所属する作法委員会を数日の間留守にしていたため、そのお詫びを申し上げようと思ったのだ。

立花先輩ならきっと、仕方ないとか言ってくれるんだろうけど、何も言わないのも違うので。



『失礼します。ここ数日、委員会を空けてしまい申し訳ありませんでした』


「気にするな。今回のことは止むを得ん。また明日から復帰してくれればいいさ。下級生の3人も、随分寂しがっていたぞ」



立花先輩は冗談っぽく笑って、今日はもう寝た方が良いと、5年の長屋に帰された。



長屋に帰る途中、ふと空を見上げた。

夜空に光る月は、嫌という程綺麗で、輝いていて。


確か、あの日も。


母と2人で、綺麗な花畑を見に行った日。

帰りが遅くなったあの日も、月は綺麗で、輝いていた。


幼かった私でも、綺麗だというのがよくわかった。


そしてその日から私は、月と花が大好きになった。



いけないなぁ、


頑張らなくちゃって、思ったばかりなのに。


もうこんなに、


哀しくて


寂しくて


痛いくて。




『やっぱ、寂しいなぁ』



1人で泣いた。









「お前、ここに来るのもう少しゆっくりしてからで良かったんじゃないのか」


『別に、大丈夫だよ』


「泣いてるのに大丈夫って、説得力の欠けらも無いな」



いつの間にか隣に立っていた三郎に特に驚きもせず、会話を続ける。

三郎の言う通り、もう少しゆっくりしてからでも良かった。

実際に、学園長先生にもそう言われたのだから。


でも、ここに来ないと、何だか壊れてしまいそうだった。


生憎、私に1人きりはまだ早いみたい。



『なんて言うか、あれだよ。寂しがり屋』


「お前がそんな事言うなんて、珍しい事もあるもんだ」


『知らなかった?私、結構寂しがり屋だよ』


「ふーん」



それじゃあ、三郎。おやすみ。
そんでもって、ありがとう。


手を振って、別れた。





「まぁ、知ってるけど」





.

その思い付きはいつも突然に→←その迷い癖はしょうがない



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(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります! (2019年1月20日 15時) (レス) id: b278546180 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - hina hihoho2さん» ゆっくりしていってね (2018年10月20日 22時) (レス) id: 47a6f04f33 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます!! (2018年10月20日 22時) (レス) id: 47a6f04f33 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - とても面白いです!! (2018年10月17日 12時) (レス) id: d085377e62 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho2(プロフ) - どうもー!ひほほでーす!気になって来てしまった…。 (2018年10月10日 20時) (レス) id: 74a6d1071f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月13日 22時

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