その意図はわからない ページ26
手を休めず黙々と作業をしていると、再び八左ヱ門が口を開く。
「Aが三郎避けてた時、ちょっと心配してたんだけどやっぱりその必要は無かったな」
喧嘩か?
困り顔で、でも笑いながらこちらの様子を伺う八左ヱ門に、どう返していいかわからない。
喧嘩じゃない。でもそれを素直に言ったところでまた質問を返してくるのだろう。
『まぁそんな所かな』
わかりやすかっただろうか。
八左ヱ門と、話を聞いていたのだろう他の4人が微妙な顔をしている。
でも彼らは優しい。
「そうか。たまには喧嘩しないとな、お前らは仲が良すぎる」
気付いているはずなのに、気づいてないふりをしてくれてる。
八左ヱ門はまるで太陽の様に笑った。
「何言ってるんだ、喧嘩なんてしていないじゃないか」
『お前は空気読めっての』
後ろから水を差して来たのは、委員会としての活動が終わったであろう三郎だった。
ここはどう考えても喧嘩した方向で流すべきだろ。
未だに真顔を保っている三郎は、何だか怒ってるようにも、泣いてるようにも見えた。
「本当のことだ。それより勘右衛門、来てくれ」
「もう終わっちゃったかと思った!今行く!」
元気よく食堂の入口へ向かう勘右衛門は、こちらをチラリと見た。
その行為の意図は何なのか。
私にはさっぱりだ。
2人が出て行った食堂は再び静寂が支配した。
誰も、声を出せない。
「三郎の気まぐれだよ」
『うん』
お前は、私にどうして欲しいの。
.
42人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります! (2019年1月20日 15時) (レス) id: b278546180 (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - hina hihoho2さん» ゆっくりしていってね (2018年10月20日 22時) (レス) id: 47a6f04f33 (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます!! (2018年10月20日 22時) (レス) id: 47a6f04f33 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - とても面白いです!! (2018年10月17日 12時) (レス) id: d085377e62 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho2(プロフ) - どうもー!ひほほでーす!気になって来てしまった…。 (2018年10月10日 20時) (レス) id: 74a6d1071f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:陽 | 作成日時:2018年8月13日 22時