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その謝罪はいらない ページ22

立花先輩の後ろを、慌てて追いかける。


ずっと心の奥に引っかかっていること。
一番最初に片付けなくちゃいけない事がある。



『立花先輩、潮江先輩は…』


「心配するな。私達の部屋にいる」



まず初めに、潮江先輩に謝る。


これはさっき食満先輩に話して、自分の中で出した答えだ。

人に話すと案外スッキリして、冷静になれるもので、すぐに答えは浮かんできた。



『文次郎がお前に粥を運んだと聞いた日から、あいつの様子もおかしくてな。一緒にいられたもんじゃない』


「色々な人に言われました…」



それきり会話はなく、暫く歩いていると立花先輩の部屋につく。


そこにいるであろう人物、潮江先輩との対面に少し緊張しながら、先輩が引き戸を開けるのを待つ。



「…バカタレ、なんて顔してやがる」


『えと、あの…色々とすみませんでした』


「別に謝らなくていい。そもそも、謝る理由なんて無いだろ」



謝ると、潮江先輩はそっぽを向く。

明確な理由は確かに見当たらない。

でも、他に思い付く行為は無かったのだ。



『色々と、心配をかけたみたいだったので』


「後輩を心配するのは先輩として当たり前の事だ。だからもう謝るな」


『…はい、ありがとうございます』



先輩との一件が一段落したところに、パンと軽快な手の叩く音が聞こえた。

音を発した主は立花先輩だ。



「さて、一つ片付いた所で本題だ。お前が悩んでいる理由はもう一つあるだろう。なぁ、文次郎」



立花先輩は笑って、チラリと潮江先輩を見る。



「確かに思い当たる節は一つあるが、それを話すか話さないかはお前次第だ」


『ここまで来て話さないなんて、そんな愚行は致しませんよ。その為に立花先輩を探していたんですから』



ずっと立っていた私たちは、漸く床に座った。

二人は、私が話し出すのを静かに待っている。









.

その答えはすぐに→←その習慣は知らずのうちに



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(プロフ) - とてもおもしろいです。続きが気になります! (2019年1月20日 15時) (レス) id: b278546180 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - hina hihoho2さん» ゆっくりしていってね (2018年10月20日 22時) (レス) id: 47a6f04f33 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます!! (2018年10月20日 22時) (レス) id: 47a6f04f33 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - とても面白いです!! (2018年10月17日 12時) (レス) id: d085377e62 (このIDを非表示/違反報告)
hina hihoho2(プロフ) - どうもー!ひほほでーす!気になって来てしまった…。 (2018年10月10日 20時) (レス) id: 74a6d1071f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月13日 22時

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