影山君は無愛想【影山飛雄】 (ページ6)

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影山君は笑顔が怖いページ6

あのあと、影山君の活躍?により男子が早く終わったので自習になった。

どうやら先生は5分後に｢野球観戦(職員室のテレビで)｣という用事を抱えているらしい。

なんということだ。

そして私の前後の席の子全員が寝てしまうという悲劇。

自習と言う名のおしゃべりタイムはとても苦痛な時間になってしまった。

仕方が無いので外でも眺めようかと窓の方を見ると、影山君が目に入った。

影｢…ﾆﾔｯ｣

あ｢…ﾋﾞｸｯ｣

あれは…

笑って…るの…か??

何かを企んでいるとしか表現できないけれど、

口の端を上げて目が半開きの彼ー多分笑顔の影山君ーが居た。

あ｢影山君?｣

影｢…?｣

あ｢バレー…好きなの?｣

かな…?

今影山君が笑顔になる理由としてはそれくらいしか見当たらない。

影｢…うん｣

喋った…!

あ｢へー!バレー楽しい?｣

影｢…おう!｣

今度は少しﾆﾔﾘとした。

なんだか楽しくなってきた。

なんとかして会話を広げたい…

あ｢バレーってポジションあるっけ??｣

影｢おう。ｳｨﾝｸﾞｽﾊﾟｲｶｰ、ﾐﾄﾞﾙﾌﾞﾛｯｶｰ、ﾘﾍﾞﾛ、ｾｯﾀｰ、いろいろある…｣

あ｢へー!いっぱいあるんだね｣

そしたら影山君はちょっと笑って座り直した。

私の方に向いてくれて、

影｢で、特にかっけーのがｾｯﾀｰ!!｣

と言った。

影｢試合中に一番ボールに触れることが多いのはｾｯﾀｰなんだ。基本的にｽﾊﾟｲｶｰにボールを送るんだけど、凄いんだよ!!｣

あ｢どう凄いの??｣

影｢コートの端っこから端っこをﾋﾞｭｰﾝってボールが行って、その先にｽﾊﾟｲｶｰが飛んでるんだ!!ﾌﾞﾛｯｶｰを置き去りにしてｽﾊﾟｰﾝって!!｣

たくさん擬音が出てきたけどなんとか自分の中で整理をつけて、

あ｢へー!!でも難しそうだね｣

と素直な感想を述べた。

影｢そうなんだよ!でも難しいからこそ楽しんだ｣

影山君はまたﾆﾔｯと笑って私を見た。

でも今度はキラキラした笑顔に見えた。

その時、影山君の瞳に映った私と目が合った気がして私はちょっと目をそらした。

なんとなく見てたらダメな気がしたから。

あ｢かっこいいね!見てみたいな～!!｣

本当にそう思った。

そしたら

影｢…見学できると思うけど、部活見てみる?｣

と彼は言った。

あ｢…え?｣

ー影山君は笑顔が怖い。