影山君は無愛想【影山飛雄】

影山君はオレンジ ページ46

影山君、好きです。




影山君、付き合ってください。




影山君、ずっと前から好きでした。









告白って、どれ?



全部告白なの?




まあ、どれも好きって言ってるけど…。



どれが正しいの?






なんて言えば1番伝わるの?






私の全部を、どれにのせたら影山君に届くの?





ボトルを洗いながらもんもんと考える。




正解とは。








影｢苗字｣




あ｢はいっ｣





後ろから影山君がやってきた。




影｢清水先輩がボトルもう片しとけって｣




あ｢おっけー!｣




影｢手伝う?｣




あ｢ううん、大丈夫!｣





体育館に戻っていく影山君。



選択肢1引き止める

選択肢2引き止めない



2でしょ。



もし告白するとしても部活中はだめだ。




せめて帰りとか。



そうやって考えてると妙に現実味を帯びてくる。




告白、



こくはく、



コクハク、



kokuhaku、





胸がはちきれそうになる。



苦しい。



緊張が入り交じる。



まだ告白するわけじゃないのに。





好きな人に好きって言うことが



こんなに難しいなんて





思ってもなかったんだよ。






ねえ、好きです。









言えない。









恋ってこんなに苦しいんだね。









好きだ〜って思ってるだけじゃしんどい。









でも、じゃあ、どうやったら影山君の好きな人になれる?






言われた通りボトルを片付ける。




難しい。






部室に片付けて外に出ると一気に空がオレンジになっていた。






夕焼けはころころと色が変わる。





綺麗な色。




遠くの深いオレンジ。




1人で見ているのが寂しくなってきた。









この綺麗な景色を、









私は影山君と見たい。









影山君、









私の気持ちを全部のせて、









今から伝える。









もう、決めた。







遠くのオレンジに誓う。








私、影山君に告白する。




ー影山君はオレンジ

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