影山君は無愛想【影山飛雄】 (ページ33)

今日:22 hit、昨日:22 hit、合計:270,508 hit

影山君は破壊的ページ33

パンをカバンから出して(半分出てたけど)影山君に渡す。

影山君はパンを受け取ろうとしてちょっと動きを止めた。

影｢でも苗字は大丈夫なのか?｣

あ｢私は売店で買うから大丈夫だよ｣

影｢じゃあ金払う｣

あ｢いーよいーよ!!どうせ100円くらいだし｣

嘘つきました…。

本当は128円です…。

でも本当にお金はいらない。

あ｢本当に大丈夫だよ!｣

影｢………｣

納得しないみたい。

あ｢うーん。じゃあ、貸しっていうのは?｣

影｢貸し?｣

あ｢そう、これから何かで返してくれたらいいよ!｣

影｢…………｣

あ｢…………｣

しばしの沈黙。

影｢わかった｣

あ｢うん!｣

影山君が手を伸ばしてきたのでパンを差し出す。

あっ

今ちょっとだけ手が当たった……。

て、変態じゃん!!

いや、ないわ～。

私ないわ～。

そんなんでトキメクとかまじ変態だわ～。

恥ずいわ～。

影山君が受け取ったパンを見つめている。

う～ん。

影山君の表情を訳すなら

(あ～早く食べたいな～)

だな。

ん?

(あ～早く食いてえな)

か。

温玉乗せポークカレーパンを見つめる横顔は、なんかかっこいい。

…鼻高いな。

羨ましい…。

色も白いし、

指も長いし、

目もキリッとしてて綺麗だし、

背も高いし、

足長いし、

｢やっぱりカッコイイよね!!｣

突然女子の会話が耳に飛び込んできた。

教室の後ろの方で固まって気になる男子の話をしているみたいだ。

その目線は｢影山君｣。

そうだ、

私だけじゃない。

影山君に恋してるのは。

でも、影山君は?

影山君は何を見てるんだろう。

後ろの女子から隣の影山君に視線を移す。

影山君は温玉乗せポークカレーパンを見ている。

視線に気づいたのかこっちを見た。

影｢サンキュ｣

私の方を見て、二カッと笑う。

釣られてニコッとしてみる。

と、同時に先生が教室に入ってきた。

温玉乗せポークカレーパンを片付ける影山君。

だんだん私の顔が熱くなってくるのがわかる。

だって、

影山君の笑顔は破壊的にカッコイイ。

ー影山君は破壊的

に、カッコイイ。