影山君は無愛想【影山飛雄】 (ページ22)

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影山君は惚れ直される？ページ22

あ「さーいしょはグー」

影「じゃんけん」

あ影「「ぽん」」

あ「よし、影山君が勝ったから右だね」

影「おう」

あ「カゴ重くない？やっぱり片方持とうか？」

影「大丈夫だ」

お互い道がわからないのでじゃんけんでどっちに曲がるかを決めながらさまようこと約5分。

あ「あーーーっ！体育館！」

影「うぉぉお！」

やっと元の道に戻ってこれた。

先輩方に心配をかけていると思ったらすごく申し訳ないけど、
影山君がいてくれたからなんとなく安心して戻ってこれた気がする。

あ「やったね～！」

影「おう」

清「Aちゃんっ⁉大丈夫だった？」

あ「あっ清水先輩！すみません、道に迷ってしまって…」

清「いいのよ、そんなこと。私も任せっきりにしちゃったし…それより知らない場所で迷子にさせちゃった私の方こそごめんなさい…」

あ「そんな…全然っ…その……」

影山君の言ってくれた「心配させるのと迷惑なのは違う」という言葉を思い出す。

こんな不甲斐ない私に、清水先輩は「私が悪かった」て謝ってくれて…

あ「ほんとにすみませんでした…次からはちゃんと道を聞くようにします…！」

清「………っありがとう。それはマネージャーしてくれるっていうことでいいのかな？」

あ「え…あっ……」

どうしよう。

でも、こんな良い先輩のいる部活に所属できるなんて…。

それに影山君のことももっと知りたい…

でもこんな中途半端な気持ちで入ってもいいのかな。

清「冗談だよ。入ってくれたら嬉しいけど、無理には言わないから」

清「それに、入部動機が〝影山君〟でも構わないからね」

あ「なわっ！？ちょ…わっ…清水先輩っっ」

清「ふふふっ」

清「あっ、タイムアウトちょっと伸ばしてもらってたんだった…試合戻らないと」

あ「あ、ありがとうございます！」

清「とりあえず日向が本調子に戻ってきたからここから面白くなるよ」

清「特に、Aちゃん、もっとかっこよく見えるはずだよ？」

あ「え？」

清「惚れ直しちゃうかもね」

あ「それって…」

清「それはお楽しみだけどね～さ、行くよ」

あ「はいっ」

______ピーッ

試合再開。

瞬間、

私は影山君しか見えなくなった。

ー影山君は惚れ直される？