136、西の高校生探偵 ページ45
｢ん…？平次くん…って、もしかして高校生探偵で有名な？｣
｢姉ちゃん、よう知っとるなぁ｣
コナンくんと一緒にいた彼は、新一くんと同じくらい有名な『服部平次』くんだったらしい。雑誌やネットニュースなんかで名前を見たことがあったなぁ…。
ケラケラと嬉しそうな平次くんの様子に、私も釣られて笑ってしまう。
彼の隣に立つコナンくんは、何故か呆れたような表情をしていた。
｢それにしても……コナンくんは年の離れたお友達？が多いね。えらいなぁ｣
｢ホー？小学生やのにえらいなぁ…… " コ ナ ン く ん " ？ ｣
ニヤニヤしている平次くんが、やたら名前を強調しながらコナンくんの顔を覗き込んだ。それ、煽っているの…？
まぁいいか。イチゴを口に放りながら、昴さんのことを思い返す。
小学1年生と、27歳の大学院生。それ程の年齢差があるにも関わらず、" 子供と保護者 " って感じがしなかったんだよな。まるで、友人のような。
平次くんとの関係もそうなのかな……って、そういえば。
｢平次くんって、 " 西の " 高校生探偵だよね？今日はこっちへ遊びに来たの？｣
｢あぁ、錦座4丁目のイルミネーションを見に行こ思てな｣
｢そっかぁ。あそこ凄く綺麗だもんね……彼女さんと？｣
なんて聞いたら照れたような顔をする平次くん。ニヤニヤしてるコナンくんが私に近づいて『これから、なるみたいだよ』なんてこっそり耳打ちした。
｢ふふふ、青春だねぇ……いいなぁ｣
高校生、いいなぁ。まぁ最も、私の高校時代は零さんにも会えず……ひたすら勉強漬けの毎日だったので、青春の欠片も無かった。切ない。
そのお陰で難関大学の法学部に入れたのだから、もう何だって構わないのだけど。
偶然とは言え、またこうして零さんにも会えたし。
｢Aおねぇさんだって、彼氏さんとラブラブでしょ？｣
｢わ、わー！！コナンくん！何言って…｣
｢あれ？いらっしゃいコナンくん｣
｢うわぁ！｣
突然、バックヤードにいた安室さん登場。
コナンくんの発言で真っ赤になった私を見た彼は軽く首を傾げて『そんな赤い顔してどうしたんです？』なんて言った。
……絶対分かってるくせに。
大きなため息をついてから、コナンくん達に向き直る。
｢2人とも足止めさせちゃってごめんね。楽しんで｣
｢Aおねぇさん、勉強頑張ってね｣
｢うん、ありがと｣
テーブル席に座った2人に背を向けて、わたしは残りのケーキを口に含んで参考書へ視線を移した。
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作者名：re
| 作成日時：2021年2月21日 12時
