16、増える同期 ページ16
「よぉ」
「お、来た来た!待ってたよ〜、Aちゃん」
「………………帰ります。さよならグッバイもう二度と会うことは無いでしょう。どうかお元気で…」
「待てバカ」「1人で帰すわけないっしょ?」
踵を返してそそくさと歩き出した瞬間、長身男2人に両腕をがっしりと掴まれて固まる。
……くそ。
" 降谷の前では出来ない話 "
…とやらを勿体ぶる諸伏に車で連れて来られたのは、チェーン店の某ハンバーガーショップ。
……なんで?
呆ける私に、『ごめんA。俺の代わりに買ってきてくれる?』
なんてお金を手渡しながら優しく微笑んだ。
まぁ、公安だし…警察の私と外でブラブラするのは確かに高リスクだな。2人とも完全にスーツ姿だし。
というか、諸伏ってジャンクフード好きなの?ちょっと意外…お腹減ってたのかな?
そんな事より " 話 " しないんすか?
疑問は尽きないけれど、首を傾げながら一先ずYESの返事をして車を降りた。
そして、1人店内に足を踏み入れた直後の出来事が… " これ " だ。
かんっっぜんに油断してた!!
「っ、離せ!爆処組!!!」
「ダーメ♡」
「語尾にハートつけるな萩原!通報されるよ!」
「え?!なんで?!」
自分の行動を省みろ。
店内で騒いでごめんなさいの気持ちも勿論あるが、それよりも(今すぐ逃げなければ!)…の焦りが勝る。
私の右腕をつかむのは 女好き こと、萩原研二。左腕はグラサン男の松田陣平…
昼間のデンジャラスドライブ中の通話相手だった、爆弾処理班の2人が店内で待ち伏せていた訳で。
つまり、諸伏に嵌められた。
嫌な予感しかしなくて、冷や汗が出る。
でも、流石に体力差があって1ミリも動けない。
ギギギ、なんて油の足りていないロボットのような効果音を立てながら右上に視線を動かす。
死ぬほど楽しそうな笑顔の萩原が私を見ていて、顔面が引き攣った。
もう嫌だ…
「Aちゃんに聞かなきゃいけないことが山ほどあるんだよねぇ〜?…ね、じんぺーちゃん?」
「だな」
「いーや!?君たちに話すことなど何もないですね!!わたしタクシー呼んで帰るから…」
「だーめ♡」
「くそ」
だから。
だーめ♡、じゃないんだわ。
「店員さーん!コーヒー4つ、持ち帰りで〜…あ、Aちゃんチョコパイ食べる?」
チッ……持ち帰りかい。
全てを諦めた私は深いため息を零して項垂れた。
「……たべる」
886人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
re(プロフ) - 樹菜さん» 樹菜さん、有難いお言葉、本当にありがとうございます(;-;)とっても嬉しいです!なんとか完結できるように!のんびり頑張りますので、ぜひ今後もお付き合い下さい(*^^*)寒い日が続きますが、樹菜さんもご自愛くださいね✨ (2022年12月24日 7時) (レス) @page11 id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
樹菜(プロフ) - この作品すごく楽しみにしてるので、消さないで欲しいです(т-т)ゆっくりでもいいので更新楽しみにしてます!!ここ数日寒いのでお身体に気をつけて頑張ってくださいね( *´꒳`*) (2022年12月23日 15時) (レス) @page26 id: d9d95eb8b3 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 樹菜さん» 樹菜さん、またコメントありがとうございます…!✨他の作品も読んで下さっているのですか…!わー!本当に嬉しいです…😭✨ありがとうございます!完結目指して、これからも更新頑張りますので、是非最後までお付き合い下さい!(*^^*)✨ (2022年12月11日 6時) (レス) id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
樹菜(プロフ) - 更新ありがとうございます!reさんの他の作品も楽しく読ませて貰ってます!このお話大好きなのでこれからも待ってます!! (2022年12月10日 18時) (レス) @page20 id: d9d95eb8b3 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 樹菜さん» 樹菜さん、コメントありがとうございます!✨久しぶりの更新になってしまって、本当にすみません💦久々すぎて需要も無いかなと思っていたので、本当に嬉しいです…!励みになります😭✨更新頑張りますね! (2022年12月6日 6時) (レス) @page15 id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:re | 作成日時:2022年6月30日 13時