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21、好きの種類 ページ21

彼の手を掴むことなんか、私に出来る訳もなく。

…不思議な感情のまま、降谷の指先をじっと見つめていたら小さく笑われた。


「A」

「……んー」
「眠いか?」
「ううん」

何でだろう。なんでこんなに、胸が苦しくなる?自分でも分からなくて焦るんだ。

もしかしたら…降谷のことを好きになりかけているからなのかと。
唐突にそんな事が頭をよぎって、息が詰まる。

それは、困る。それだけは絶対にダメだ。

違う違う。

そんなハズない。

もし、仮にそうだとしても今なら引き返せる。大丈夫。これは、恋愛としての " 好き " じゃない。自分に何度も言い聞かせて。


私と降谷は " 友達 " だ。



「そろそろ、新しい恋したいなって…思ってはいるんだ」

「うん。…Aならすぐ見つかるさ」

優しすぎる声。ふわりと笑う、顔。
私にしか見せない降谷のこんな姿が嬉しくて…やっぱり幸せで。私も思わず笑ってしまう。

「わはは!ありがと」
「次はちゃんといい男を選べよ」
「……ん〜!なかなか難しいことを言いますね、降谷サン。」

恋愛において一番重要で……何よりも、難しいこと。
過去、幾度となく振られた記憶を思い出して苦笑いが零れた。

「私的には、全員 " いい男 " だと思って付き合ってるんだけどね。振られた後も、まだ好きだなって思えるくらいには、いい男だったと思うよ、みんな。……恋愛って、難しいねぇ」

「Aはそういう奴だったな。悪いこと言ったか…?ごめん」

「ううん、全然。気にしてない。いつもありがとね」

感謝の言葉と共に微笑みかければ、何故か真剣な表情をする降谷。首を傾げながら青い瞳を見つめていると、小さく息を吐いて私の頭をポンポンと軽く撫でた。

「…降谷?」
「お前は本当に真っ直ぐで、素敵な奴だと思うよ。僕はいつも応援してるから」

「…ん。ありがと」

ありがとう。

自分が今何を思っているのかも分からないけれど、彼に微笑みかけながも少しだけ…泣きそうになって。

自分の気持ちも、降谷に対しての言葉に言い表せない、もやもやとした不思議な想いも、涙も。
全部全部、誤魔化すみたいに、グラスのお酒を一気に飲み干した。

「…っはぁ!!わたし!今年こそ幸せになってみせます!!!」
「はいはい、頑張れ」

手を挙げて宣言した私を見て可笑しそうに笑った降谷は、優しく頭を撫でてくれた。
ありがとう!!

すき。
すごく、すき。


わたし、やっぱり降谷が大好きだよ。




もちろん、

…友達として。

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re(プロフ) - そこらにいるオタクさん» そこらにいるオタクさん、コメントありがとうございます!お話楽しんで頂けてとっても嬉しいです…!(*^^*)保護者は苦労します…笑 そして、やはりバグなんですね(;-;)教えて頂いて感謝です…!更新する際は気をつけます、ありがとうございます! (2021年9月28日 18時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
そこらにいるオタク(プロフ) - コメント失礼します 作品いつも楽しく読ませていただいてます 保護者諸伏さん頑張れ! あと私もたまにその様なバグがありますね 一旦前のページに戻ればバグはなくなるのですが (2021年9月28日 5時) (レス) @page23 id: f5a7aaca63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:re | 作成日時:2021年9月23日 7時

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