3、朝の光と散歩 ページ3
｢自分の家に帰るか？｣
｢え…降谷、ご飯作ってくれるって…｣
｢お前は " お腹すいてない " と言っていたな｣
｢い、意地悪言わないで…｣
｢悪い｣
校舎を出てからも腕を引く降谷は、時折私に話しかけてクスクスと笑う。
大学を目指す学生達の波に逆らいながら、ふたりでのんびり歩いて…
朝の眩しい光は、傷心中の私には刺激が強くて、また泣いた。
降谷はそんな私をバカにすることもなく『僕の部屋に着くまで頑張れ』と声をかけてくれて…アリガト。埋まりたいくらいに恥ずかしいです。
お天道様は、私を励ましているのか。はたまた嘲笑っているのか…ため息が出そうなほど見事な秋晴れ。今の私にとっては『希望の朝』では決して無いけどな。くそう、歩くの疲れた。
｢ゼロ、サボりか？珍しいな｣
HPが尽きた私は、散歩拒否中の犬のように足を動かすこともままならなくなった。怪力の降谷によって、ほぼ引きずられるように移動している途中。耳慣れた声が聞こえて、重たい頭を上げる。
走り寄ってきたのは降谷の親友、" 諸伏景光 " だった。ちなみに、3人とも同じ学部。
｢おはよう。見て分かるだろ？…不可抗力。｣
可笑しそうに笑う降谷にペチリと額を叩かれた。ご迷惑おかけしております。でも " 不可抗力 " なのかなぁ…。
｢…ひろみつ…おはよ｣
｢A、また振られたのか｣
｢なんで降谷も景光も、第一声で私の傷を抉るの…｣
だばーっと涙を流せば、2人とも苦笑して。『俺もサボろうかな』と言い出す景光に、降谷が瞬時に " NO " を告げた。
｢Aの面倒事に巻き込まれるのは僕だけで十分だ。｣
｢……う、うん。ちょっと腹立つけど、いつも迷惑かけてごめん降谷…君は苦労人だなぁ｣
｢はいはい、誰かさんのせいで苦労人だな僕は。……ヒロは今日の講義出席した方がいいだろ。先週休んだし｣
一限は必修だし…単位を落とすと面倒だ。景光はこの前体調不良で休んだから、出席できる時に出ておいた方がいいよね。
『まぁ、気を落としすぎるなよ』なんて優しい言葉をかけてくれた景光とバイバイして、降谷との散歩(引きずられるだけ)を再開。
｢降谷の部屋、何か変わった？｣
｢ん？いや、特には…あぁ、ヒロがゲーム置いていったままだ｣
仲良しか。2人でゲームしてんの？可愛い。
私も降谷もお互い一人暮らし。
そして、こいつは何故か私の家には絶対に上がろうとしない。だけど、私が降谷の部屋に上がり込む分には文句は無いらしい。
…よく分からん奴。
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re(プロフ) - そこらにいるオタクさん» そこらにいるオタクさん、コメントありがとうございます！お話楽しんで頂けてとっても嬉しいです…！(*^^*)保護者は苦労します…笑 そして、やはりバグなんですね(;-;)教えて頂いて感謝です…！更新する際は気をつけます、ありがとうございます！ (2021年9月28日 18時) (
レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
そこらにいるオタク(プロフ) - コメント失礼します 作品いつも楽しく読ませていただいてます 保護者諸伏さん頑張れ！ あと私もたまにその様なバグがありますね 一旦前のページに戻ればバグはなくなるのですが (2021年9月28日 5時) (レス) @page23 id: f5a7aaca63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re
| 作成日時：2021年9月23日 7時
