37、意地悪 ページ4
彼女の声を聞きながら、その綺麗な指先が…カップを優しくなぞる様子をぼんやりと眺めていた。
" 待っててもいい…？ "
待ってる、って。僕を？
Aのことだから、すぐに帰ると思ったんだが。
｢え…別に構いませんけど…車が無いので、帰りは電車かタクシーになりますよ？｣
｢うん。電車でいいよ。その……ただ、安室さんと、一緒に、帰りたいだけ…だから｣
｢…｣
恥ずかしさからか。
Aは顔を赤くして、俯く。
彼女から、" 一緒に帰りたい " と言われたのは初めてだった。
…可愛い。
可愛い。
早く、抱きしめたい。
今すぐキスしたい。
｢分かりました！もうクローズしましょうか｣
笑顔でそう言って。
すぐに片付けを始める僕の様子に『……ﾝ？』なんて小さな声を漏らしたA。
やっと状況が飲み込めると、あからさまに慌て出す。
｢…はい？！え？ちょっと、ラストオーダーまでまだ時間あるよウェイター？！｣
｢ん？Aさんの他にお客さんも居ないですし、きっと…今日はもう来ないですよ。うん、絶対に来ないです。｣
早く、一緒に帰ろうね。
｢うぉーい！決めつけるなー！！職務怠慢！今度梓さんにチクってやる！｣
ふぅん？…梓さんに？僕は構わないけど。
｢あと少しだけ、待っていてくださいね？｣
｢あむぴ？私の話きいてる？｣
｢ん？聞いてますよ。梓さんも恋愛に関する話が好きそうですが……僕達が一緒に帰る関係だと、バレてもいいんですか？｣
｢…ｱ｣
ピタリと固まったAの隣に座って頬を優しく撫でると、彼女の茶色い瞳がじっと僕を見つめた。
｢彼女、他人を炎上させるような女性では決して無いですが…｣
｢そ、そうだよ…？すごくいい人だもんね…？｣
うん。Aも知っての通り、梓さんはすごくいい人だよ。
｢で す が｣
｢……ｴ？｣
｢もし…仮に、梓さんと常連さんの話が弾んで｣
｢…ﾋｯ｣
｢それを…周りにいる " 女子高生 " に聞かれでもしたら…どうなるでしょうね？｣
その言葉に、カタカタと震え始めた。
…炎上、しちゃうかもね？大変だ。
本当は、僕がAにアプローチしていること…梓さんには既に教えた上で、黙って貰っているけど。
｢あ、あむぴ…｣
｢じゃあ、帰る支度…しますね？｣
笑顔で問いかけると、Aは『ﾊﾋ』と全てを諦めたように頷いた。
たくさん意地悪して、ごめん。
心からAが好きだから。…許して？
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re(プロフ) - arisuさん» arisuさん、2人の視点のお話を読んで下さって、本当にありがとうございます…！！温かいお言葉、とっても嬉しいです😭✨✨書いて良かった…！楽しんで頂けたようで、私はとっても幸せです(*^^*)💕こちらこそ、ありがとうございました！✨ (2023年4月21日 10時) (
レス) id: 78ebe0a207 (このIDを非表示/違反報告)
arisu - 夢主視点も降谷さん視点も最高でした🥹ありがとうございます✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨ (2023年4月20日 14時) (レス) @page31 id: 8db8ff9f57 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - やっちさん» やっちさん、コメントありがとうございます…！✨最高に良かったの言葉、めちゃくちゃ嬉しいです！！書いて良かった😭✨夢主ちゃん羨ましいですよね🤣💕温かなコメントを頂けて、とっても幸せです(*^^*)本当にありがとうございます！！ (2022年7月21日 12時) (レス) id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 安室さん最高に良かったです！夢主さん羨ましい〜 (2022年7月19日 14時) (レス) @page31 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 自宅警備員Nさん» 自宅警備員Nさん、コメントありがとうございます…！本当ですか…！(;-;)✨キュンキュンして頂けたようで、私はとても幸せです！評価も押して下さって感謝しかありません(;-;)✨これからも頑張りますね(*^^*)ありがとうございます…！ (2021年10月18日 13時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re
| 作成日時：2021年8月5日 20時
