63、最終話 ページ30
『あむぴにとっては、あ、遊びだろうって……わたしは、都合のいい女だろうって、あきらめて、て…でも、本当に、好きだから…一緒に、いたくて…っ、』
なんて、泣きながら言われてしまったから。
Aが呆れるくらいに謝って。抱きしめ続けた。
その時。
…絶対に、一生をかけてAを幸せにすると誓った。
「A」
「ん?なぁに?」
キッチンに立つ彼女を後ろから抱きしめる。
「あ、…わ……ご飯作ってるから、危ないよ?」
「これ、受け取って?」
「うん?」
振り返った彼女の目の前に、鍵を差し出した。
「か、ぎ?」
「僕の部屋の合鍵。…どうせ隣だから、必要ないかもしれないが」
「…い、いる!…でも、本当に、いいの?」
「あぁ。Aだから」
キラキラした瞳でそれを受け取ろうとした彼女。
その直前、僕はひょいと腕を上げた。
行き場を失った彼女の指先はピタリと宙で動きを止めて。
訝しげな瞳を僕に向けてきた。
「…れ、零さん?……意地悪してる?」
僕は小さく笑って、首を横に振る。
「いや?…これを受け取ったら…もう。何があっても、一生お前を離してやらないけど」
「…っ」
「その覚悟はある?」
Aの腰を抱き寄せて、至近距離でその瞳を見つめる。
元々、離してやるつもりなんか無かったけど。
もしも…僕から逃げたい気持ちが少しでもあるのなら
最後のチャンスをあげる。
「…どうする?A」
僕がそう問うと、頬を赤くした彼女が僕の頬を包んで。
背伸びをしながら、唇を重ねてきた。
「……覚悟なんか、とっくに決まってるの。」
「ふぅん?」
「私を、絶対に…」
彼女の瞳は、ひどく真剣で。いつものふわふわしたAとは、全く違っていて。息を詰める。
つい、その雰囲気に飲まれそうになって、少し焦った。
…こんな表情、できるのか。
『……一生、離さないで。』
そう囁いた彼女は、ニヤリと笑って。
僕の手から、合鍵を奪い取った。
「仰せのままに。…後悔、するなよ?」
「しないもん!」
べーっと舌を出して楽しそうに笑う彼女に釣られて、僕もケラケラと笑った。
「もう、炎上しても大丈夫そうだな」
「……エ?」
「ん?ずっと僕の傍にいるって…そういうことだろ?」
「…ぇ、え…あ、…えぇ?!ちょ、」
ニヤリと、悪戯っぽく笑いかけて。
思いきり慌て出したAの身体を抱き寄せると、強引にキスをした。
絶対。
…離さないから。
『君を振り回したい僕』 END
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re(プロフ) - arisuさん» arisuさん、2人の視点のお話を読んで下さって、本当にありがとうございます…!!温かいお言葉、とっても嬉しいです😭✨✨書いて良かった…!楽しんで頂けたようで、私はとっても幸せです(*^^*)💕こちらこそ、ありがとうございました!✨ (2023年4月21日 10時) (レス) id: 78ebe0a207 (このIDを非表示/違反報告)
arisu - 夢主視点も降谷さん視点も最高でした🥹ありがとうございます✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨ (2023年4月20日 14時) (レス) @page31 id: 8db8ff9f57 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - やっちさん» やっちさん、コメントありがとうございます…!✨最高に良かったの言葉、めちゃくちゃ嬉しいです!!書いて良かった😭✨夢主ちゃん羨ましいですよね🤣💕温かなコメントを頂けて、とっても幸せです(*^^*)本当にありがとうございます!! (2022年7月21日 12時) (レス) id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 安室さん最高に良かったです!夢主さん羨ましい〜 (2022年7月19日 14時) (レス) @page31 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 自宅警備員Nさん» 自宅警備員Nさん、コメントありがとうございます…!本当ですか…!(;-;)✨キュンキュンして頂けたようで、私はとても幸せです!評価も押して下さって感謝しかありません(;-;)✨これからも頑張りますね(*^^*)ありがとうございます…! (2021年10月18日 13時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:re | 作成日時:2021年8月5日 20時