57、新しい繋がり ページ24
｢あ、それで…？私が、 " 何も言わない " …って、結局、なんの話…なの？｣
そのまま眠ってしまうと思ったAは、急に僕の言葉を思い出したらしい。
聞けなければ、それでもいいと思ったけれど。
……ずっと、口に出せなかった僕の疑問を。
Aの、答えを。聞いてもいい？
｢…Aさんは、『好き』とか。そういう事を絶対口にしないし、僕に聞くこともないんだな…と、ふと思って。｣
ずっと、Aに聞きたかったくせに…
僕が、声にした…くせに。
情けないけど。
彼女の答えを聞くのが少しだけ怖くて、そんな自分に苦笑しそうになる。
｢あー…｣
｢恋人ではない僕とキスをするのさえ、1度躊躇った貴女が…結果的に僕を受け入れたことも意外でしたし｣
｢…ん｣
｢こういう行為を続けるのも、僕達の " 関係 " を疑問視しないのも…関係自体を変えようとしないのも…少し不思議に思えて。｣
｢…｣
僕の言葉に、彼女は黙ってしまった。
…あと数日で、組織の片がつくのなら。
その前に。
Aの気持ちを、少しでも覗きたい。…そう思った。
ワガママだとは百も承知だが。
今までAは。
一体、何を思って…僕を受け入れ続けてくれた？
どうして、僕達の関係を…1度も、問わなかった？
眠たそうな瞳で僕を見つめる彼女の頬を撫でる。
ほんの少し…泣きそうな顔をした彼女は、僕の手を掴んだ。
｢……Aさん？｣
｢お、ねが…い｣
｢ん？｣
ひどく小さな…声。
Aの言葉を一言も漏らすことのないように。
彼女の唇に耳を寄せる。
『私から…はなれ、て、いかない…で』。
そう、呟いたAに。
僕は息を詰めた。
そのまま瞼を閉じた彼女。眠りに落ちるせいか、僕の手を掴む力が緩んだから……
すぐにその手を繋ぎ止めて。
｢…｣
彼女の身体を強く抱きしめた。
…分かった。
絶対に、Aから離れないと誓うよ。
｢余計に…死ねなくなったな…｣
完全に深い眠りに落ちた彼女の寝顔を眺めながら、小さく笑って。
その瞼にキスをした。
枕元にあるAのスマホを操作する。
勝手に弄って、ごめんね。
公安として使用している方の電話番号を、Aの連絡先に打ち込む。
" 降谷 " …とタップしかけて。
すぐに消した。
ー 『透』。
今、Aのスマホには。僕の連絡先がある。
彼女との、繋がりが増えた気がして…少し、嬉しかった。
…まだ、気付かないでね。
僕から電話をかけるまでは。
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re(プロフ) - arisuさん» arisuさん、2人の視点のお話を読んで下さって、本当にありがとうございます…！！温かいお言葉、とっても嬉しいです😭✨✨書いて良かった…！楽しんで頂けたようで、私はとっても幸せです(*^^*)💕こちらこそ、ありがとうございました！✨ (2023年4月21日 10時) (
レス) id: 78ebe0a207 (このIDを非表示/違反報告)
arisu - 夢主視点も降谷さん視点も最高でした🥹ありがとうございます✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨👏🏻✨ (2023年4月20日 14時) (レス) @page31 id: 8db8ff9f57 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - やっちさん» やっちさん、コメントありがとうございます…！✨最高に良かったの言葉、めちゃくちゃ嬉しいです！！書いて良かった😭✨夢主ちゃん羨ましいですよね🤣💕温かなコメントを頂けて、とっても幸せです(*^^*)本当にありがとうございます！！ (2022年7月21日 12時) (レス) id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 安室さん最高に良かったです！夢主さん羨ましい〜 (2022年7月19日 14時) (レス) @page31 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 自宅警備員Nさん» 自宅警備員Nさん、コメントありがとうございます…！本当ですか…！(;-;)✨キュンキュンして頂けたようで、私はとても幸せです！評価も押して下さって感謝しかありません(;-;)✨これからも頑張りますね(*^^*)ありがとうございます…！ (2021年10月18日 13時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：re
| 作成日時：2021年8月5日 20時
