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3、思ったよりも優しい人 ページ3

「……立てないんですか?」

「え、…?」

路頭に迷う、ってこの事かぁ……なんて、涙をボロボロと零しながらボンヤリと考えていた私。

頭上から聞こえた素敵な声に顔を上げると、そこには大好きな安室さんが。


「あ、あれれ?…わたし、から…逃げたんじゃ、ないんですか…っ、」

「確かに逃げましたけど……あんな転び方をした女性を放っておける程、鬼じゃないですから」


地面に座り込んだまま、痛みで動けない私と目線を合わせるようにしゃがんでくれた彼。

……やだ、近い。イケメン。


「や、優しすぎる……安室さん、好きです」
「えっ……」
「あ、嘘です。うそウソ。ドン引きしないで」

「嘘なんですか」
「いや、嘘じゃないんですけど………いったぁ!!!」

「……結構怪我が酷いですね…。擦りむいてる箇所も多いし、足首を捻挫しているようだ」

強めに足首を掴まれて悲鳴をあげた。痛すぎるよ?!

…え?もしかして、安室さん??

「……捻挫してそうだな、って分かってて思いっきり掴みました…?」

「やだなぁ。そんな酷い事する訳ないじゃないですかぁ」

安室さんのキラキラ笑顔、頂きました。……すごい胡散臭いやつ。

でも嬉しい。すごい、この人!ほんとに顔がいい!!


「立てませんよね?」
「い、いや…大丈夫……」

「嘘ばかりつくのは良くないですよ」
「え…」

『貴方がそれ言います?』なんてポロッと口に出しそうになって、慌てて首を横に振る。……セーフ!

トリプルフェイスに言われたくない言葉ナンバーワンだわ。


「すぐそこが、僕のバイト先なんです。…手当てしましょう」

言うが早いか、彼は突然。
私の膝裏に手を入れて、抱えあげた。

「あ゛?!ぇえ゛!?」

「…あまり可愛くない声を出さないで下さい」

「…ンンッ!!………誠にすみませんでした。」

推しにお姫様抱っこされてるんで、今。
変な声の一つや二つ、仕方ない。

真っ赤な顔を両手で隠しつつ、指の隙間からチラリと彼の様子を伺う。

私、重たいだろうに…そんな事何も感じさせない、カッコよすぎる彼に。
私はひとり悶えた。心の中でじたばたした。

ここは犯罪都市だから、いつ死んでもおかしくないけど。……安室さんにお姫様抱っこされたから、今日が命日でも構わないわ!


あ。
ところで、バイト先ってもちろん……


「着きましたよ、ここです。」
「ぽ、あろ…?」


ですよね…。

4、私の推し→←2、記憶喪失か



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re(プロフ) - みおさん» みおさん、このお話にお付き合い下さって、更に温かなコメントまで……!!本当にありがとうございます…!✨好きだと言って頂けて、とても嬉しいです😭✨✨書いてよかった〜!(*^^*)ありがとうございます! (2022年6月3日 10時) (レス) id: 6b9303296e (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 本当に最高です!!話の内容が好きすぎます!!素敵な作品ありがとうございました!! (2022年5月21日 13時) (レス) @page36 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - 金糸雀さん» 金糸雀さん、コメントありがとうございます…!!本当ですか…(;-;)文章を褒めて頂けるなんて…幸せすぎます…!!続編まで希望して頂けるなんて…このお話を書いて良かったです!!本当にありがとうございました!^^ (2021年7月30日 8時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - え、好きですこの作品!!文章の表現技法がとても素敵でキュンキュンしながら読ませていただきました!お時間がございましたら、続編を書いてほしいですっ!! (2021年7月29日 21時) (レス) id: e5f7c718e0 (このIDを非表示/違反報告)
re(プロフ) - お米。さん» お米。さん、最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございます…!嬉しい言葉の3連続…!笑 ありがとうございます…!萌えて頂けて幸せですが、どうか、死なないで…笑 温かなコメント、ありがとうございました^^ (2021年7月8日 10時) (レス) id: 963c697df1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:re | 作成日時:2021年7月1日 7時

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