海の猟犬3【onepiece】 (ページ9)

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76話ページ9

ｺﾝｺﾝ
「失礼します」

『わ、待ってたよ〜ありがとう！』

淹れたての湯気の立ち上るカップを、Aさんへ手渡した
そして受け取ると嬉しそうに、香りを楽しんでいる

体に傾きなく、真っ直ぐな姿勢で紅茶を飲むAさん。脚もきちんと揃えられており、そう言った佇まいからAさんはそう言う行儀作法を教わる環境で、育ってきたのだと想像する

『はぁ…落ち着くなぁ。美味しいよ、ありがとう』

「い、いえっ…///」

お茶を飲み終えると、デスクに戻り静かに書類と向かい合う中将。サラサラと羽根ペンが紙の上を滑る音だけが聞こえる

本当ならお茶も渡したし、僕の頼まれた仕事はここまでで、もう部屋を出てもいいのだが、色々聞きたいことがあって出るに出られない

でも、急に聞いてどう思うかなど後の事を考えると上手く言葉が出ない

『…聞いていいよ、君なら答えてあげる』

「…！」

君は本当に分かりやすいから…笑と目線は書類に向けているが、僕の考えていた事はお見通しだった様だ

「…せ、潜入して何をしていたんですか？」

『調べ物』

「ハリルは唯の海賊では無いんですか…？」

『まぁね、ちょっとしたオタクなんだよ』

聞きたいのに、あと少し届かない…こう、何だろ…凄くもどかしい

すると、痺れを切らしたようで

『…エデンだよ。僕が調べていたのは』

「！それって…」

『そう、僕と関係のあるって言う島。あの時ハリルは僕の事をエデンの住民。そう呼んだ』

エデン。生まれてこの方、エデンなんて島聞いたことも無い。それに、海兵として本部で働いてきたけど微塵もそんな島の噂も何も聞かない

本当にあるのだろうか？

『僕もさ、そろそろ幼少期前の失った記憶を取り戻したいんだ。奴はエデンについて色々調べてた、それで思い出した訳では無いけど、やっぱ何か感じるんだよね』

「…一体、エデンとはどんな島なのですか」

『簡単に言えば、天竜人や世界政府が喉から手が出る程手に入れたい島だ』

「そんな…」

調べた情報によると、争いも苦しみも無い楽園。それこそ、皆が求める理想郷と言ってもいい

だけど、そんな島がプカプカ浮いている訳にもいかないから皆知らない。姿を隠してる

どんな方法で隠れているかは、分からない
1つ分かることは、面倒臭い島ということ

僕と関係があるのなら尚更

そもそも、自分は本当にその島の人間なのだろうか…？ハリルは何故、あるかも分からない島をずっと探している？

何か確信があるのか