海の猟犬3【onepiece】 (ページ8)

今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:5,187 hit

75話ページ8

「…それにしても、いつ帰ってきてたんですか？」

『ん？ついさっきだよ』

あれから落ち着いたようで、今はスープを静かに飲む中将

本人曰くお腹が減った苛つきから、グラントの喧嘩に乗ってしまったという

「あ！せや、ほんで何処おったんって」

『本当に君しつこい』

思い出したかのように、Aさんの横でパスタを頬張りながら疑問をなげかけるツバキ

確かにこの1ヶ月半程、何処へ行っていたのだろうか

串刺しのハリルについての情報を集めているとは言っていたものの、本当に何も伝えられていなかったので僕も気になった

『何処でも良いでしょ。言ったって君らには分かんないだろうし、連れてかないよ』ｺﾎｯ

「串刺しのハリル…、ですよね？」

「串刺しのハリル？誰やそれ」

「ツバキ、もうお前黙っとけ」

串刺しのハリル。Aさんが訓練兵だった頃に襲ってきた海賊の船長の通り名。Aさんの友人を、何人も殺した男の名

そうか、ツバキは知らないんだ…。Aさんの過去を

『…そうだよ、ハリルの拠点へ潜入してた』

「せ、潜入してたんですか…！」

聞いて驚いた、真逆潜入までしてたとは…。てっきり、情報を集める為に島を渡って聞き込みから動いているのかと

「拠点で一体何を調べていたんすか？」

確かにただ仲間を殺した人物を捕まえるだけなら、もう見つけた時点で拘束したらいい。でも、ハリルがいると分かっている筈なのに捕まえず、潜入していた理由って…、

『あ、紅茶飲みたい。バナーに入れてもらお』

スパッと話を切っては立ち上がる中将。何で最後まで教えてくれないんだ

「バナーは今日はおらんで。ここ最近何かと忙しそうやわ」

「…そう言えば、バナーさんは何処へ行ってるんでしたっけ？」

僕がツバキに聞くと、さぁ…。俺も分からんねんと再びパスタを頬張る

『じゃあ、久々に大佐殿に入れてもらおうかな』

「え、あ！はい！」

「(良かったな、コビー…！)」

隣から肘をつついて小声で言ってくるヘルメッポさん。聞こえちゃうから辞めてよ

ここずっと、バナーが中将のお茶を入れていたので本当に久し振りだ。美味しく入れられるかな？

『じゃあ僕は部屋で待ってるから、よろしくね』

そう言い残しては、スープの皿を持って離れて行った

「(…待たせちゃ悪いな。僕も早く食べ終えてしまおう)」

残りを喉へ流し込み、腹に入れ食器を片付けては、ヘルメッポさんとツバキを置いて給湯室へ急いだ

…ｺﾞﾎｯ…ｺﾎｯ