111話 ページ44
「な、なぁ…中将大丈夫なん？」
「今の所は何とも…。面会も許して貰えないんだ」
「でも、ずっととちゃうんやろ？」
「分からない…けど、落ち着くまでって」
事情を何も知らなかったツバキとバナーに訳を話す
どうにかAさんを解放しようと考えるツバキに、責任を感じて黙り込むバナー
「お、俺のせいだ…、俺が！」
「…過ぎたことを悔やんでも仕方ない。今、どうするかを考えよう」
兎に角、今僕が焦っているのは天竜人や政府の手をAさんに近付けさせないこと
誰にも知られず、エデンへとAさんを帰してあげたい
でも、そんなこと上手くいくはずが無い
その事でずっと、ずっとこの数日間悩んで考えている
「そう言えば、今日は静かだね。ヘルメッポさん」
「…ぁ、嗚呼」
「何か考え事？」
「考え事はお前だろ？俺は別に…」
「…そう、何かあったら聞くよ。いつでも頼って下さいよ」
皆でテーブルを囲んで、考える
天竜人や政府がエデンに目を付けている事は、皆には伝えている。問題はAさんをどうするか
「もういっそ、エデンの人じゃないって証明したらええんとちゃうん…、」
「どうやって？海兵の中には知っている奴もいる。今更誰も信じない」
「話が纏まらない。まずは、Aさんに会わないと…何かいい方法はあるかな」
皆であーだこーだと意見を出し合っているが、どれも成功しそうなものは出てこない
何かないか…考えろ、
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「ｯ、A中将…！と、止まってください…！！止まれ！」
「どうした！？、何が」
「おい！！落ち着けAｯ！」
『出ていけｯ！！出て行けｯ！！僕に近寄るなｯ！！』
「騒がしいな、一体なんの騒ぎだ」
「…スモーカー中将、、」
数人の海兵達が地下の入口で騒がしくしていたから、見に来てみれば最近イカれたと噂の馬鹿犬が居た
Aの近くには捕まえていた海賊が、血だらけで倒れている
「よぉ、A。こんな所に居たのか…何騒いでやがる」
『こんな所、居たくていてる訳じゃない…、
僕を解放しろ…今すぐｯ』
鎖に繋がれる奴の目線に合わせるように、屈んでやる
顔を見ると、だいぶ窶れているのがよく分かった
「解放する前に答えろ。…その海賊に何をした」
『、違う。僕に何があったかでしょ…？』
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作者名：夛湖 (たこ) | 作成日時：2023年11月6日 22時
