海の猟犬3【onepiece】 (ページ40)

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107話ページ40

無事Aさんも復帰して、落ち着いて来たと思った頃

元よりよく悪戯をして呼び出され、叱られていたAさんだが、最近は極端に呼び出される回数が増えた

不思議な事に、それも悪戯に関した呼び出しではない

そして、今日もセンゴクさんにお叱りを受けている様子が、部屋の外から伺える

「(…一体何で怒られているんだ？)」

ちょうど、僕もセンゴクさんへお伝えする事があり部屋の前で挨拶をし、部屋の中へ入った

センゴクさんの前で敬礼をし、Aさんを横に本題に入る

「＿＿と言う事で報告されてます」

「うむ、、報告ご苦労」

チラッとAさんを見ると、全く気にしておらず天井の木目を数えている

「あの…何故Aさんはここに？」

自分の上司が居るんだ、当然気になるので思い切って聞いた

「はぁ……、今週はもう5度目だ。理由は様々、今日は本部に飾ってある花瓶を其処彼処で損壊させて、呼び出した」

「花瓶を、ですか？それに今週で5回も…、」

「本人に言っても聞いていなくてな…、。お前からも後で伝えてくれ」

「は、はい…」

(今週で5度目。あまりに多過ぎやしないか…、)

横目でAさんを見ると、今度はセンゴクさんのヤギと遊んでいる

この弛緩した様子もあの薬のせいだと言うのだろうか

「Aさん、少し話をしに行きましょう。」

『ん？……あ、大佐殿だ。やあ、元気？』

「、元気ですよ。少し、食堂でお話しませんか？」

『囚人を瀕死にしたって話に僕は関係ないよ。だって彼が僕を怒らすから、それで仕方がなかったんだ』

何の話だ

そんな話していない

『うは、君の目綺麗だね。僕のと交換する？』

「ｯ…」

「よせｯ、A…！！」

センゴクさんが声を上げたと同時に、僕の目へと伸びる腕が止まった

『ぁ……、ごめん…今の忘れて』

「ぁ、Aさｯ…！待って！！」

センゴクさんの部屋から慌ただしく襖に肩をぶつけて、走り出て行ったAさん

伸ばした手は届かなかった

「Aは、阻害薬を飲まされたと言ったな？」

「はい…、解毒には時間を要すると」

「今のように、奴の可笑しな行動で怪我をする者も出てきた以上、Aを拘束せざるを得ない」

「…囚人を瀕死にさせたって、」

「捕縛され連れて来られた海賊が、その場に居合わせたAに喧嘩をふっかけて、瀕死状態にさせられたそうだ

Aを正気に戻せ。でなければAを拘禁する」