海の猟犬3【onepiece】 (ページ39)

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106話ページ39

Aさんが治療室に入ったあの日から、定期的に様子を見に来ている

顔色も良くなり、ナース達からはもう目が覚めてもいい頃だと言われているのだが、まだ目が覚めない

「…Aさん、そろそろ起きて下さいよ」

僕より少し小さい、冷たい手を握ってみる。何だか痩せた気がする

これ以上、細くなってどうするんだ。目が覚めたら思いっきり食べさせなきゃと思う

「…！、Aさん！！」

今微かに、僕が握る手から握り返す様に動いた…！もしかして、目を覚ますのかもしれない

『ｺﾎｯｺﾎｯ…、』

「Aさん…！」

まだ朦朧としているのかゆっくり目を開けて、辺りを見回す
目が合うと、掠れた声で僕を呼んでくれた

「うぅ…、良かった…！目が覚めた…、」

『…酷い顔…笑』

安堵して、涙が溜まる。Aさんを感じる為に手を強く握った

すると、弱々しくも握り返してくれる

「おはようございます、Aさん」

『うん…、おはよう』

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目が覚めた事を報告すると、駆けつけてくれたナース
異常が無いか診てくれ、もう復帰しても大丈夫だと言われた

「ありがとうございます、良かったですね…Aさん」

だけど、阻害薬の事もあって、定期的に受診するようにと言われた

確かに一見普通に見えるが、何処か読み取れない表情などが偶に伺える

「今日はゆっくり休んで、明日本部へ報告に行きましょう」

『……ん？』

「…眠いんですか？」

何だか、ぼーっとしているAさん。話をするも上の空
目覚めてすぐだし無理も無いと安静にさせる

この時、どうしてもっと早くAさんの様子に、気づいてあげられなかったんだろう

僕がもっと早くに気がついていたら…