海の猟犬3【onepiece】 (ページ33)

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100話ページ33

「クソｯ！、俺は一体何てものを中将に飲ませてしまったんだ…！」

無事に船まで退却し、このやるせない気持ちを拳に打ち付ける

「ま、まあ、、あの中将や…ケロッとして何ともない顔して帰ってくるって、大丈夫やって…な？」

「クレマって奴は阻害薬とかって言ってたな…、一体何のだ」

「人が生きていく上で必ず必要な力を阻害するんだ。俺が復讐の為に近づく前に、薬を作っている様子を見た事がある

色んなもんを片っ端から掻き混ぜていたから、解毒薬なんて物も作れないんだろう…、」

"あぁ…！俺のせいだ…、！俺が何も知らずに飲ませてしまったから…！！と頭をぐしゃぐしゃと抱え出すバナー

相当、責任を感じているんだ

「大丈夫だ、バナー。あの中将だ、負けるなんて事は無い

俺達が信じなきゃ誰が支えるってんだ？な？信じようぜ、俺達の中将をよ」

「ｯ…嗚呼、そうだな、。」

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『あ"あ"あ"ぁ"ｯ！！』

戦っている最中、急に頭をおさえ悶え苦しむAさん
一体なんだと言うんだ

「ふふ、始まったかな。副作用による幻覚、聴覚障害だ。急がないと本当にお前、殺されてしまうよ？」

…ｯ！

「Aさんｯ！、しっかりして下さいｯ！」

『あ"ぁ"…煩い…、煩い煩い煩い煩いｯ！！』

もういっそ、どうにでもなってしまえ
そしたらもう何も考えなくて済むし、悲しい事も苦しい事も無くなる

そうだ、きっとそうだ

「辛いだろう？私なら楽にしてあげられる」

『はｯ、いいね』

苦しむAさんに、手を差し伸べるクレマ
反対の手で薬を作り出す

「ほら、A君が楽になれる薬だよ。協力してくれるなら、幾らでも作ってあげよう

さっきの暴言も特別許してあげる」

Aさんの前に手を差し出し、片方の手には薬。まるでお預けされている犬のようだ。薬を見つめる瞳も朦朧として、焦点が合ってない

ゴクリと喉が鳴る

「…、Aさん」

『大丈夫だよ、コビー…心配しないで』

そう言って微笑むAさん

「(特に可笑しい様子は見られない…大丈夫だ。いつものAさんだ)」

安心して胸を撫で下ろした

『お互い、時間も無いんだ。一騎打ちで終わらせようよ』

「おや、強いね。薬に飛びつくかと思った」

『うはは、僕は紳士だからね。そんなかっこ悪い姿、部下の前で見せる訳ない』

「余程、部下想いなんだね」

言葉を交わしながら、お互いに構え合う