海の猟犬3【onepiece】 (ページ22)

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89話ページ22

薬を喉の奥へ押し込むと、段々落ち着きを取り戻したように大人しくなったAさん

「はぁ……、、良かった」

やったな！コビー！！と肩をバシバシ叩いてくるヘルメッポさん。痛いよ笑

静かに伏せるAさんに近づき、屈んで様子を伺う

「満足しましたか笑？全くAさんは勝手に行っちゃうんだもんな…兎に角、無事で良かったですよ。

お帰りなさい、Aさん」

頭を優しく撫でると、喉を鳴らし目を細める様子がまた可愛らしい

「わ、もふもふだ…！」

「お、俺も…！」

ヘルメッポさんも少し遠慮がちに撫でると、あまりのモフ感に感激している

シュウゥゥっと音を立てて半獣化へと姿を変えるAさんに、少し残念に思うも初めて見る半獣化に目が釘付けになった

白狼の時は3m程だったが、半獣化でもまだ僕達より大きい

『もふもふタイム終わり〜…笑、ははっ、疲れた』

「全く僕達も大変だったんですよ！…でも良かった」

『ありがとう、迎えに来てくれて』

傷だらけの姿で言われると、何故か目の奥が熱くなってきた
(ダメだ、ダメだ…！ここは我慢だ)

気の緩みを振り払っていると、Aさんが横を通り過ぎバナーの前で立ち止まった

『…やっぱり、君はライラの弟だったんだね
時々、面影が感じられてそんな気はしていたんだ

あの時…君のお兄さんを助けられなかった、本当にごめん』

もっと僕に力があれば…これは謝って済む問題じゃない。君の傷は消える事も癒えることも決してない

それでも、僕は彼と約束したから

君を守る。君がそれを嫌がろうと拒もうとも、彼との約束は果たさないと、彼に顔向けできない

恨んでくれていい、寧ろ僕を恨んでいて

君達は僕の部下であり、大切な宝物だから

『ライラと約束したんだ。君を、君達を僕に守らせて』

「…、俺は貴方に復讐する為に近づいてずっと薬を飲ませてた。そんな俺を守るんですか、また裏切るかもしれないのに」

『言っただろ、約束したんだ。君が幸せになるのを見届ける。勿論、僕の部下全員のね』

もう、ライラやアッシュのようにはさせない

「ははは、嘘だ…笑」

『うはは、言ってなよ笑。こう見えて実は面倒見が良かったりする』

「…うーん、それはどうでしょうか笑」

「中将に限って無いな笑」

「有り得へんな笑」

『はぁ！？なんでだよ…！』

皆で笑いながら和気藹々とした雰囲気になった。心が軽くなった気がする

ずっと、このままがいいなぁ