海の猟犬3【onepiece】 (ページ12)

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79話ページ12

それからと言うものAさんの姿は、まるっきり見かけなくなった

下された待機命令を皆に伝えると、納得いかなかったようで色んな不満の声があがった

僕だって納得はしてない
でも、仕方ないじゃないか…

今日も僕らは待機命令。お互いで鍛え合う日々

休憩がてら、体を伸ばし周りに視線を向けるとグラントが、こちらに近づいてきた

「よお、あのアホ犬は居ねぇのか？」

「A中将なら任務の為、今は留守ですよ」

ツバキとの間に割り込んできたグラント。悪い笑みを浮かべながら近づいてくる様子は、あまり海兵とは思い難い

「ｯチ…そうかよ」

そう言うと不機嫌そうに離れていく。喧嘩相手を片っ端から探すのは辞めて欲しい

「俺、アイツのことちょっと苦手やわ…」

「青キジさんを尊敬しているので、悪い人ではないんでしょうけど、近づき難いのは本部にいた頃から変わらないね」

迷惑そうに見ていたのがバレたのか、或いは僕たちが話していたことが聞こえたのか、少しした所で止まりこちらに振り向く

「なぁ、お前らあのアホ犬の部下なんだろ？ちゃんと鍛えてもらってるか俺が確かめてやるよ」

つまり、手合わせをしろと言う事。あまり乗り気じゃないけど、多分強制だろう

「えぇー！？俺、嫌や…！怖い…！！」

ボコボコにされんのは勘弁やわ！と後ろに下がるツバキ。そうすると必然的に僕が前に出される

こうなったら仕方がない。同じ大佐同士、どっちが強いかハッキリさせよう

足手纏いじゃない、僕だって力になれる筈なんだ

「僕は負けませんよ…！」

「そう来なきゃなぁ」

僕が構えると、ニヤニヤとグラントも構える
絶対に負けられない

風が吹いたと同時に、お互い一気にぶつかり合う

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「んで、こんなに大怪我したと」

「いやぁ…ちょっと頑張りすぎちゃった。いて」

「頑張りすぎちゃった☆。じゃねーよ…！」

ぎゅっと包帯が締め付けられる

「いたたたた、ヘルメッポさん痛い！」

「ったく…お前らしくねぇ。どんな挑発されたか知らねぇけどよ、あんま慣れねぇ事すんなって」

勝負の結果は残念ながらつかなかった…お互いフラフラになるまで戦った。あんな猛特訓は、ガープさんに扱かれていた時以来かもしれない

でも、やっぱり悔しいな