68話 ページ1
あの日、強化特訓を終えたあの日からAさんの姿を、見かけなくなった
また、書類を押し付けられ部屋に篭っているのだと覗いても居ない。何処か悪戯をしに行っているのかと、手当り次第に聞いて回るが何も無し
「Aさん、一体どこに行ったんだろう…？」
「さあな、何か別件の任務にあたってんじゃねえ？」
任務に当たっていたにしても、僕達の部隊のリーダーだ。何か言われていてもいいはず
「そういや、あの中将なにしてん？最近見やんやんな？」
「あれ、バナーさんは？」
「そうやねん、バナーも居らんねんよな〜最近」
僕達の仕事は強化特訓依頼ずっと、大きな任務は任されておらず今日も稽古に励むのみ
最後にAさんに会ったのは、確か眠っている間にキスをした日が最後だ
「ｯおい！コビーｯ！！」
「え」
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「…、あれ？」
「よお、起きたか？全く、、大丈夫かよ」
気がつけば、医務室で寝ていた。頭には包帯が巻かれている
「ごめん、全然思い出せない。何があったんだ？」
「はぁ…、お前階段から足踏み外して転がって行ったんだぞ。頭を強く打ったって医師は言ってた」
そんな事があったなんて、全く分からなかった
「取り敢えず、本当に大丈夫か…？」
「うん、ごめんヘルメッポさん。しっかりしないとな」
そうだ、しっかりしろ僕。Aさんがいない間、僕が先陣切ってこの部隊を引っ張って行かなきゃ
「…コビー、。あのな、…落ち着いて聞いてくれるか？」
「え？、うん。」
どこか申し訳なさそうに、苦しそうに俯きながら話すヘルメッポさん。そんな姿は見た事が無かった
「どうしたの？」
「ぁ〜…、ツバキから聞いたんだが、…、A中将が探していた奴ら、あの海賊団に航海中、出くわしたらしい
そんで、…そんでょ……、A中将が
しんだって、」
「…は？」
「何言ってるの？ヘルメッポさん、だって、この間まで…、」
「跡形もなく、ぐちゃぐちゃだったそうだ…ｯ、、一緒にいたバナーだけが生き延びて本部に帰ってきた…んだ」
「ｯいい加減にしろよ…！！ヘルメッポさんでも、怒るよ…！！」
胸倉を掴んでヘルメッポさんを、睨む
「コビー…、嘘じゃねえんだ、。中将は、A中将は…！
死んじまったんだよ、！」
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作者名：夛湖 (たこ) | 作成日時：2023年11月6日 22時
